活動会員 亀田佐知子
1月15日土曜日、「子ども面会プロジェクト」第4回ミーティングを、女性ライフサイクル研究所・大阪本社にて実施しました(参加者8名)。本プロジェクトは、両親の離婚などが原因で離れて暮らす親子間の面会をサポートしようというものです。
今回は、弁護士として家庭・児童問題に尽力されておられる当NPO理事でもある石田文三先生をお迎えしての開催となりました。
ミーティング前半では、継続して読み進めている「NYSPCC Professionals' Handbook on Providing Supervised Visitation」第2章後半部分の読み合わせを行いました。「スーパーバイズド・ビジテーション(SV、監督つき面会)」とは、離れて暮らす親子の面会を安全・安心なものにする為に第三者が同席する面会形態で、米国・カナダなどで普及が進んでいるものです。第2章後半部分では、SVサービスを提 供する際、子どもの年齢に合わせた施設環境やアクティビティ(面会現場で行う遊びなど)を準備することの必要性が述べられています。また、離婚した親の為の支援グループ、子どもを対象とした支援グループなど、SVを必要とする家族を面会以外でもサポートする方法・活動などが具体的に紹介されています。
ミーティング後半では、法律的な視点から見た日本の親子面会の現状について、石田先生よりお話を伺いました。わが国の裁判所では、80年代に面会を肯定する前向きな傾向が生まれたものの、一時期、米国の心理学者が発表した否定的な意見を反映してその動きが停滞したとのことです。しかし現在はまた面会を積極的に推奨する方向に復活しており、平成13年の判例解決においては、面接交渉は(「親の権利として」ではなく)なによりも「子どもの福祉のため」に 実施するべきものと確定されたとのことです。しかしこの面会推進の時流によって、本来ならば認めるべきでない「危険性の高いケース」についても面会承認 してしまうという問題が発生しており、そうした意味で、SVサービスを提供できる機関・団体が求められていることは確実とのことでした。
日本における面会の現状や支援のニーズを知り、私たちが提供したい・できるサービスの形を具体的に絞り込んでいくために、今後も調査・研究を進めていく予定です。興味をもたれた方のご参加をお待ちしています。
(ニュースレター11号/2005年5月)