活動会員 亀田佐知子
2007年11月の有償事業開始から数え、Vi-Projectのサポートはまる7年を経過しました。電話やメールでよせらせる個々の質問や要望・意見に、よりよいおこたえができるよう、スタッフ全員で努力しています。今回は、これまでいただいた問い合わせや、実際に登録されサポートを受けられたケースの経過などを、少し客観的な視点で振り返ってみました。(データは2015年2月現在。2007年11月~2014年10月までの7年分の問い合わせを分析対象としています。)
■どんな方から?
あくまでも判明分のデータになりますが、数の多い順から①同居母親側(51%) ②別居父親側(36%)③別居母親側(11%)④同居父親側(2%)となっています。父母ご本人からの問い合わせに加え、祖父母や弁護士、支援者の方からのご連絡もあるため、「側」と表記しています。同居親側と別居親側の総数を比較すると、やや同居親側が多いながら、大きく差はないと言えます。母親側と父親側を比べると、母親側からが約6割です。離婚・別居時に母親が同居親となる割合が多いことを考えても、同居父親側からの問い合わせは「少ない」と言えるでしょう。
■どんな内容?
同居母親側からの問い合わせ・ご相談内容について見てみると、要望は大きく2つに分かれます。①子どもと別居父親との面会実施が(調停などによって)決まっている、あるいは別居父親から子どもとの面会実施を求められているが、実現が難しい、②現在、子どもと別居父親とは面会していないが、(自分ひとりでは難しいが)第三者に手伝ってもらうことによって子どもと父親とのつながりを作ってやりたい、というものです。①は消極的・義務的ながらも、②は積極的・自発的にサポートを求めてVi-Projectにアクセスしていただいたものと考えられます。
■問い合わせ内容の経年変化
事業開始から現在にかけて、問い合わせ内容にも変化が見られます。
①問い合せ時にはすでに面会頻度や時期などが決まっていて、面会実施の実務的なサポートを求めての相談の増加
②面会に関する調停・審判・裁判中で、Vi-Projectを介する面会を決定事項として盛り込む意図での相談の増加(弁護士の方からの問い合わせの増加)
③公益社団法人家庭問題情報センター(FPIC)での面会実績があり、FPICの更新満期が迫ったために他のサポート機関を求めての相談の増加
■サポート登録されたケースについて
サポートへの登録ケース数は、事業開始初年度は多く、その後は平均していましたが、2012年度は増加、その後は毎年度コンスタントに新規ケースの登録が続いています。いっぽう、登録を終了されたケースはほとんどが初年度1年のみの登録、長いケースでも3年の登録期間となっています。終了理由の3分の1はご自身で面会実施が可能となった「卒業」、それ以外は、さまざまな理由でサポートの継続が困難になったものです。現在サポートを受けられているケースには5年以上にわたる長期登録も多く、Vi-Projectの目指す「卒業」までにはある程度の時間を要することを表しているとも考えられます。同時に、その大半はトランスファー・サポート(お子さんの移動付添い)を必要とせず、父母間の連絡調整中心の簡易サポートへと移行していることもご報告いたします。
簡単なまとめとなりましたが、Vi-Projectは今後も折にふれ客観的なかたちで事業を振り返る機会をつくり、皆様にご報告していきたいと思います。
(ニュースレター48号/2015年3月)