理事 桑田 道子
昨秋、面会交流支援全国協会が立ち上げられ[https://accsjapan.com/]、日本各地で任意団体や市町村による面会交流支援が実施されています。以前より、Vi-Projectのサポート内容や、サポートを利用する親子に関するヒアリング調査、インタビューは受けてきましたが、近年、サポートの手順やスタッフ養成など運営に関して尋ねられることも増えてきました。
前号ではサポート終結をテーマに取り上げましたので、今号ではサポート開始となる事前カウンセリング【インテーク/最初の面接】の枠組みを紹介します。
メールまたは電話での問合せ(…★)において概要を伺い、Vi-Projectでお引き受けできそうな場合には、申込書(家族構成、同居(婚姻)・別居の時期、調停の利用状況、面会に関する取り決めなどを記載)を提出のうえ、事前Coを申し込んでいただきます。
事前Coは父母個別に実施し、一人で来られる方が6割、代理人弁護士同伴3割、親同伴1割というような内訳です。また、子どもの年齢や状況にあわせて、子どもへの面談を実施することもあります。
事前Coの内容は「ご本人のお話を聴くこと」と「Vi-Projectのサポートのご説明」になりますが、これまでの調停・審判記録など10センチほどのファイル持参でご説明くださる方、「なにから話せばよいか…」と戸惑われる方、感情がこみあげてなかなか言葉にならない方、様々ですので、最初にスタッフから今日の流れを簡単にご説明したあと、スタッフがその場で使用する記録用紙をご覧いただいて(写真)、「話しやすいところから聴かせてください」とスタートします(…★)。
<事前Co記録用紙・写真省略>
■現在の面会状況(取り決めの有無、時間、内容、連絡の取り方、子どもの様子)
■同居時について ■親権、離婚事由
■子どもの様子/気持ち
■相手方について(様子、伝え方)
■希望とルール(時間、場所、内容、頻度)
■具体的な実施について(日時、場所、内容、子どもの受け渡し)
事前Coの場は、何を訊かれるのか、何を話さなくてはいけないのかと緊張されていたり憂鬱に感じておられたり、話しているうちに感情が高ぶって脱線しやすいものでもあるため、直接、用紙をご覧いただいて構造化することも、双方でこの事前Coの目的を一致させる工夫のひとつです。
このように問合せ時(…★)と事前Co(…★)において、Vi-Projectで引き受けられるか、引き受けるとしたらどのようにサポート可能か、アセスメントします。そして、Vi-Projectのシステムへの同意を父母それぞれにお約束いただけたら、面会交流のセッティングに着手し、父母子それぞれの負担が分散され、安心して過ごせる実践を目指します。
(ニュースレター58号/2020年1月)