活動会員 佐々木 加奈恵
私が子プロの活動に参加して約10年が経ちました。子プロではみんなが「安心・安全」で過ごせ、人と人が「つながる」ことを大切にしています。この「安心・安全」や「つながる」ことはどのような臨床場面にとっても、とても大切なことだと思っています。
現在は放課後デイサービスで子どもの療育や保護者との面談を行っています。日々、子どもたちと過ごし成長を肌で感じます。また、子どもとどのように接していけばいいのか、将来について不安を抱いている保護者も少なくありません。そのような時に「安心・安全」や「つながる」といったキーワードを忘れずにかかわっていくことを大切にしています。
子どもたちはその場が安心で安全だと感じない限り、緊張や不安から本来の姿を出そうとしません。安心するからこそ色々な表情や表現を出してくれます。また、のびのびとした環境の中でメリハリをもってかかわることで、その子が本来持っている力を発揮して新しいことを学んでいくのだと思っています。つまり、安心と安全を作り上げることは、その場にいる人との信頼(ラポール)を築くことと同じではないでしょうか。
様々な不安を抱えた保護者には、まさに「つながる」ことが大切になってきます。「つながる」ということは、誰かと誰かを新しい糸でつなぐこともありますが、ほつれかけた糸や切れた糸を結びなおす作業、激しく絡まった糸を解く作業もあると思っています。この“糸”は何を指すのでしょうか。保護者と関係機関、関係機関同士という視点もありますが、親と子といった家族の中の糸をつなぐ役割もあります。それを少しでも結びなおしたり、緩めたり…ちょうどよい状態になるように調節していこうとするかかわりが対人援助職には求められると思っています。
子プロではプログラム後に子どもたちの様子で特にその子の良いところをお母さんに伝えます。ただ単に褒めるのではなく、具体的に何が良かったのか、どんなことが出来ていたのか伝えます。この時間は親子にとってとても大切な時間です。お母さんは子ども達の良い一面を知り笑顔になり、子ども達はお母さんの笑顔をみて嬉しくなります。このように親子をつなぐ声掛けは、私の日々の臨床に活かされていると感じます。
こうやって振り返ってみると、やはり日々の臨床活動の根っこには子プロでの活動があるな…と改めて感じます。学生だった私が子プロに参加して色々な経験をされていた先輩と出会い、同期との学びが今につながっている。私自身も子プロとつながることで色々な経験をし、成長していっているのではないかと思います。
最後になりましたが、今回子プロでの活動が日々の臨床にどのように活かされているのか振り返る機会を頂き、ありがとうございます。
【2018年6月~12月の活動】
2ヶ所のDVシェルターにて派遣プログラムを実施しました。この間、団体では6,8,10,12月の計4回実施し、子どもはのべ8名が参加しました。施設では7,9月の計2回実施し(11月は参加者が見込めないため中止)、子どもは16名、おとなは10名が参加しました。
今年度は、対人援助を学ぶ大学院生5名を新たなメンバーに迎え、バックスタッフやプログラム企画・実施メンバーなど、あわせて13名がDV子どもプロジェクトに登録し、活動を行っています。DV/虐待、子どもの育ちの環境、子育て支援、親支援、ボランティア活動…などに関心があり、一緒に活動してくださる方、ぜひお力添えください!!
(ニュースレター56号/2019年1月)