のびのび遊べとか、子どもらしくしろとか、大人はよくいう。しかしそれはたいてい、大人の考える「らしさ」であって、子ども自身にはたいして値打ちはない。遊びにしたところで、大人のイメージするのびのびした子どもを見たがっている。そんな世界で、回りの様子を慎重にながめつつ行動してきた子どもは、しっかりそういう態度を身につけていたりする。六人の参加者も、どこかそんな印象を持たせた。 フィールド・アスレチックに出かけたのは、何も決められたプログラムを競わせるつもりはなかった。以前、たまたま出かけたときに、滑って落ちた池がドロドロで、靴の泥を洗い流すのに閉口した。しかしその時に、フィンガー・ペインティングをしているような楽しさがあった。 そこで「あの池にどっぷり浸からせて遊ぼう!」と思った。むこうの従業員は困るだろうが、用意された楽しさではないことをさせようともくろんだ。 はじめは強烈に嫌がって、怒った子もいた。しかしそのうちみんなのり始めた。そうしたら止まらなくなった。
(ニュースレター2号/2003年2月)