合宿参加対象者が決まると、その子たちに見合った企画を考える。今回はおとなしい子たちだから、イベントは思い切ったことがいい。そこで一日は「ケービング」をやろうと提案した。だが誰も知らない。私も岩波新書『洞穴学ことはじめ』(吉井良三著)を読んでいただけで、たいして知っていたわけではない。要するに洞窟探検しようというのである。なぜそんな本を読んでいたかというと、たまたま質志洞のことを知っていて、身近なところに鍾乳洞があるなら行ってみたいと日頃から思っていたからだ。 当然のことながら、企画はすべて実施前に下見をおこなっている。そして面白くないことはやらない。しかし少々なら危険だというので止めることはない。それより安全確保の方法を模索する。もともと無茶をやる気はないのだから、多少のことならチャレンジしてこそ、参加者の心もふるえるというものだろう。もっともこの下見は、安易な気持ちででかけたので、こっちの体が震えてしまった。
(ニュースレター3号/2003年5月)