隠密裏に先発した人たちを追いかけて、途中に仕掛けられた謎を解いたり、課題を解決しながら進む追跡ハイキング。小学校高学年の頃、夢中でやった遊びのひとつだ。少年探偵団になって怪人二十面相の行方を追う、そんな気分の遊び方だった。 この遊び、先発隊になった時にセンスが問われる。矢印が少なすぎたり暗号が難しすぎると誰もついてこられない。かといって簡単すぎると、すぐ追いつかれてしまう。あれこれ準備しながら進むのは、なかなか手間ヒマがかかるのだ。それに誰でも思いつきそうなゴール地点だと、矢印や通信文をとばしても、ついてくることが可能になる。ある時、先発隊が目的地の公園に着いたら、追尾してくるはずの子どもたちが弁当を食べていたことがあった。 そんなことをさせないためには、誰も知らないような秘密の通路や裏道を、地図で探したり、人に聞いたりして準備しておく。それでも誰かに見破られそうで、先発はほんとに気疲れする。
(ニュースレター5号/2003年11月)