団士郎理事「父子旅」
12. 日本封切前子どもの頃から映画が好きだ。それが今日まで続いているのだから、ざっと五十年ばかり観ていることになる。そんな親だから、息子達もよく映画を観るようになった。先日も久しぶりに長男、次男と三人顔を合わせることがあったが、夜中まで最近観た映画の話で大いに盛り上がった。好みはそれぞれ異なっていて、同世代の兄弟でも必ずしも一致しない。それぞれが自分の面白いと思った映画を、他の二人に売り込むことになる。 その時、古い話だが「LOST WORLD」の話も出た。「何しろ日本公開前に、N.Y.のジークフェルド座で観たもんだなあ」、次男と二人で長男に自慢した。しかし悔しいことに後が続かない。つまり、それ以上何の話題にもしようがない。いどむは言っていたように、日本で公開されてから再度観に行ったようだ。その時には眠らずに見終えたそうだが、やっぱりつまらんと言うことが分かっただけだったと言った。実は私も、ビデオを借りて再見した。N.Y.で観た時、英語が分からないから面白くなかったのかと思ったのだ。しかし字幕が付いてもやっぱりつまらなかった。恐竜の母子物なんてどうしようもない。早送りで観たら、凄いスピードで恐竜が走り回って、この後に観た「GODZILLA」を思いだした。アレも負けず劣らずくだらなかった。そんな映画ばかり観ているわけではないのだが、流行物にはつい誘われてしまう。でも「タイタニック」は良かった。 (ニュースレター24号/2008年8月)
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