団士郎理事「父子旅」
14. 私流楽しみ方観光名所を見物するのを嫌っているわけではない。一応行っておこうと思う。 昼食はすし屋に行こうと前から決めていた。NYは寿司がうまいとあちこちに書いてあったのだ。「寿司漬」という店、正午の開店早々の入ったのにほぼ満席だった。大半が日本人客でしかもビジネスマン。 隣席の二人連れはランチタイムの簡単な接待らしかった。家族は千葉に住んでいると語る単身赴任者の方が顧客のようだ。接待している側は家族で赴任してきているらしく、子どもの学校のことや住居、暮らしのことが次々と話題になっている。 日本の会社員が商談の合間に、生活の細部の話をしているのが面白い。店構えも板前もお客も日本人ばかりなのに、この話でここはNYだなぁと思った。 (ニュースレター26号/2009年2月)
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