土産話はいくらでもできるが、土産は嫌いである。面倒なのだ。誰が土産を欲しがっているのだろうといつも思う。子どもじゃあるまいし、土産がなかったと言って不満な人っているんだろうか?
ところがその一方で、思いがけない人から、「お土産!」と手渡されたりすると、嬉しいのだからワケがわからない。
困った物を貰ったり、使いようがなくて迷惑した記憶もあるのにである。
旅した人には思いのこもった品物でも、貰う側がそのテンションについていくのは無理である。あげる方は大変で、貰う方はいいかげん、これがお土産の現実だろう。
日本でも売ってるブランド品を、安いという理由で買いあさるエネルギーも理解しがたい。もっとも、「土産話なんか聞きたくない。くれるなら、高い物をくれ!」って人もあるだろうから、まあ様々か。
しかし、とにかく、現実問題として土産選びはやっかいなものである。そのために時間が取られるのが、私はうっとうしくて仕方ない。
(ニュースレター35号/2011年5月)