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理事エッセイ
17.学校行事に思うこと /前村よう子

前村 よう子

私立中学・高校の非常勤講師として教壇に立って、今年で12年目になる。この間に、学校を取り巻く様々な要素は大きく様変わりした。新米講師だった頃、「ゆとり教育」が推進され、カリキュラムはスリム化し、教科にもよるが、子どもたちが一年間に学ばねばならない総量が削減され始めた。その一方、公立校では、土曜日が休みになり、授業時数そのものが減った。「これで子どもたちにゆとりの時間ができるのかな?」と楽観していたら、今度は、「学力不足」が問題視されるようになった。そして半ば当然のように子どもたちの塾通いが加熱していく。「学校の勉強だけでは、受験に対応できない」というわけだ。そしてここ数年、スリムになったはずのカリキュラムはリバウンドし始め、子どもたちが一年間に学ぶべき総量は確実に増加し始めている。しかし、土曜日休みを取り消す訳にはいかないようで、授業時数はこれまでのまま。時間数は減ったままなのに、教えねばならない総量が増えているということは、どこかにそのしわ寄せがくるということだ。そして最終的に、学校行事にしわ寄せが出始めている。

体育祭(運動会)、文化祭、音楽祭、校外学習、林間学校など、子どもたちが楽しみにしている行事は少なくない。特に、準備期間に時間と労力を必要とする行事は、実施当日、大いに盛り上がり、同級生や教員・PTAと協力しあった思い出はいつまでも心に残るものだ。ところが、授業時数を最大限にいかし、なおかつカリキュラムをこなそうとする場合、削減できるのが、この学校行事となる。文化祭の縮小、音楽祭の中止、春と秋に実施していた校外学習を年1度とする等々、子どもたちにとっての「楽しみ」であり、「発散」の場であった学校行事が減り始めている。「ゆとり」の言葉はどこへ消えてしまったのだろう?

そんな中、私が勤務してきた私立校の幾つかは、この流れに逆らうかのように、学校行事を大切に守っていた。特に、現在勤務している私立校は、「ゆとり教育」以前から「ゆとり」重視の方針だったようで、体育祭・文化祭に対する意気込みは凄まじく、今年も大いに盛り上がった。非常勤として参加している私ですら、楽しいひとときを過ごすことができた。大学受験を2~4ヶ月後に控えている高校3年生が主体となり、これほど盛り上がる行事を続けている学校自体が少なくなっている昨今、この私立校に勤務できる幸せをつくづく感じた日々だった。

教育も政策の一つかもしれないが、その時の時流に乗って、やれ「ゆとり」重視だ、やれ「学力重視」だと、コロコロ方針を変えるのではなく、実際の子どもたちのいきいきした輝く顔を見て、声を聴いてから考えてほしいものだ。

(ニュースレター17号/2006年11月)

 


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