副理事長 西 順子
この3月、2人の娘が中学と高校をそれぞれ卒業した。「中学生活、めっちゃ楽しかった~!」「中学よりも高校生活はめっちゃ濃かった~!」とそれぞれに、学校生活に満足感や充実感を感じて卒業できたことが、親としてもとても嬉しく、また改めて学校の先生方に感謝する気持ちとなった。日々の学校生活の中での嫌なこと、腹が立つことなど、その時々でのいろんな思いを聞く事があったが、でも最終的に「楽しかった~」って思えるって、なんと幸せなことだろうかと、学校や周りの方々に感謝の気持ちである。
子ども達の話を聞いていると、特に、体育祭や文化祭、修学旅行などの行事、その取り組みを通しての友達との関わりが何より楽しかったようである。
親として、へぇ~と感嘆の気持ちで印象に残っているのは、中学校での子ども達の自主性・主体性を伸ばす取り組みである。修学旅行では東京方面に行ったが、班行動で東京見学をさせてもらっていた。私が中学の時は、決められたコースをただ順に見学したように思うが、わが子らは自分達で見学場所を決め、時間も計算して計画を立てて行動するという取り組みをさせてもらった。自分達で計画して決めたことを達成した時の喜びは、修学旅行から帰ってきた子どもの姿を見ていて伝わってきた。ハプニングにもいかに対処したかも自慢げに話してくれた(もちろん、起こりうる危険について事前に学習していたから対処できたことだが)。そんな取り組みを通して、クラスの仲間や友達との関係も深まっていったのだろうと想像している。
子どもがそんな素晴らしい体験ができたのも、先生方の熱心な取り組みのおかげと頭が下がる思いである。というのも、子ども達が決めて、自主的に行動させるのは、先生にとってはとても時間がかかり、骨の折れる仕事である。大人が決めてしまう方が早いだろう。でも、一年生の時から時間とエネルギーをかけて、少しずつ、自主的な取り組みを通して主体性や責任感を育ててきてくれた。
次女は小学校6年の時に学級崩壊を経験しているが、卒業式も無事にとり行えるかどうか危惧させていた学年だった。そういう雰囲気のなかで次女自身も、今から思えば、物事を斜めから見るような冷めた気持ちで、物事に正面からぶつかることはなかったように思う。でも、三年間の中学生活を通して、物事に正面から取り組むことを学び、なんと成長したことかと思うが、それは学年の集団全体として生徒のみんなが成長してのことである。
子どもの成長する力を伸ばしてくれた先生の取り組みに感謝すると共に、これからも学校の先生方に、ぜひこういう取り組みを続けてほしいと願う。また、こうした取り組みをぜひ拡げて行ってほしい。集団というと、私のイメージでは、<集団=しんどい、抑圧、個性が出せない・・>などマイナスイメージであったが、子どもの体験を通して、学校コミュニティの良さを知ることができた。学校が子ども達のコミュニティの一つとして、活力ある場として活かされることを願っている。
(ニュースレター23号/2008年5月)