理事 津村 薫
当NPOでは、毎年恒例の講座「グループ・ファシリテーター養成講座」を担当している。このニュースレターにも詳しいご報告を書いているが、グループ援助のノウハウを2日間集中で学ぶものだ。
日頃は女性ライフサイクル研究所で講師をしていて、あちこちに講演や研修の講師として伺う。内容的なことについては、できるだけご依頼先のご要望に沿って、大切なことをいかに効果的に伝えるか、丁寧に準備を整え、講演・研修の成功のために、主催者と共に力を合わせている。
会場設営からレジュメから受付、こういう準備・運営はまた違った意味で大変だけど、準備の整った場に出向き、話して帰ってくる立場としては、運営側の立場を体験することは想像力を広げる体験にもなり、日頃の講師活動の刺激にもなっていると思う。といっても、事務局スタッフをはじめ、周囲の手助けなしに講座は成立しない。心から仲間たちに感謝。
それにしても、なんと遠方から、そして、忙しい時間を割いて、さまざまな場で、さまざまな人が学ぼうとしているのだろう。時々、はっと居住まいを正したくなるような思いにかられる。
「参加して良かったと心から思え、希望や元気が湧き、“よしやってみよう”と思える確かな何かを持ち帰れる講義を」というのが私の講義のモットーだが、ハード面からも丁寧に場を整え、喜んでいただければと思う。
丁寧な取り組み。それは決して私の得意分野ではなく、痛い失敗や、周囲をモデルにすること、自分の体験をどう現実に意味づけるかなど、さまざまな学びから得てきたことだ。
講義中、祈りにも似たような気持ちが湧き出ることがある。「どうか、皆さんと皆さんに繋がる人々に、良い変化が起きますように」「もう次に会う機会はないかもしれないけれど、この場で得てくださったことが、少しでもあなたの力になりますように」。
一期一会。またご自分の居場所に帰られるその方たちにもご家族や仲間、職場などのさまざまな人間関係がある。その中で出会えた不思議なご縁に感謝。
(ニュースレター36号/2011年8月)