理事長 村本邦子
新しくFLCネットワークを立ち上げ、半年。少しずつ、基盤をつくり、さまざまな活動を展開しつつあります。お陰さまで、現在、会員数は、100名弱となり、活動会員の皆さまには、早速、ニュースレターの発送や、各プロジェクト・ミーティングへの参加など、活動を開始してもらっています。
活動報告ですが、昨年11月に実施しました「援助者向け怒りのグループセラピー」のフォローアップが、1月、2月、3月とあり、無事終了しました。子どもにあたってしまう、虐待してしまうというお母さんたちを対象とした全8回の認知行動療法に基づくグループ・プログラムを、子育て支援している援助者に研修し、それぞれの現場で応用してもらうというプロジェクトでしたが、フォーローアップ・ミーティングでは、企画案をつくり実施に向けて働きかけた方や、すでにプログラムの体験実施を始めている方、相談場面でプログラムをすでに実行された方などから積極的な応用について発表がなされました。こうやって、虐待してしまうと悩んでいるお母さんたちに支援の場が拡がっていくことを嬉しく思います。この試みは、今後も継続して続けていきます。
また、建築家村本勝美氏による「家づくりを学ぼう!」の講座が、月1回のペースで1月より始まっています。私も参加させてもらいましたが、暮らし心地の良いコミュニティをつくるうえで、建築物がどんなに大きな意味を持っているかを再認識させられます。ただ寝泊まりするための箱があれば良いというのでなく、仕事から帰って家に入るというアプローチや玄関が一種儀式的な意味を持つこともわかりました。「心躍る階段」を上って玄関を入るなどの工夫や、塀をなくすことでむしろ安全感が増す(塀はドロボウにとって都合が良い)、適度なプライバシーを確保しながらも、集い合うスペースを作るなど、ハード面がメンタルヘルスというソフト面を規定していくことも学びました。
その他、シャルレ女性奨励賞を頂いた企画「ワーキングマザーのストレスマネジメント」講座実施のプロジェクト・チームや、「トラウマを受けた子どものケア」のためのプロジェクト・チームが月1~2回、ミーティングを開き、実践に向けた準備を始めています。臨床心理学を学ぶ院生の参加も多く、カウンセラーの卵たちが、こういった社会活動を経験することの意義を感じます。実践はこれからですが、今後が楽しみです。それぞれ詳しいご報告をお読みください。
5月には「設立記念イベント」が、また「被害者支援アドボケーター養成事業」も始まります。「会員同士の交流を図りたい」とのニーズに応え、11月2日に、第1回の年次大会を開くことにしました。具体的な内容は未定ですが、是非、ご予定ください。今後、さまざまな活動を展開していくために、経済的基盤が必要です。各種助成金に応募するなどの努力をしていますが、活動を支えてくださる会員がまだまだ必要です。是非、会員の皆さまには、あちこちで私たちのNPOをご紹介頂けますよう、お願い申し上げます。「こんな活動をしたい」「こんな支援が欲しい」といった声もお届けください。まだ小さなことからしかできませんが、必要なサービスを実現していけるよう努力する所存です。
(ニュースレター第3号/2003年5月)