理事長 村本邦子
NPOを設立してから、あっという間に1年が経ちました。11月2日ドーンセンターで第1回年次大会が開催され、この1年のふり返りをしました。事業としては、設立記念イベント、ワーキングマザーのためのストレスマネジメント、家づくりを学ぼう、被害者アドボケーター養成講座、子どもプロジェクト、グループファシリテーター養成講座、援助者向け怒りのコントロールを学ぶ親グループ養成講座など盛りだくさんでした。年次大会の模様は2頁をご覧ください。
そこには詳しく書かれていませんが、「援助者向け怒りのコントロールを学ぶ親グループ」の修了生であり、活動会員である北海道の圓山嘉都美さんと、奈良県の森崎和代さんが、NPOの講座で学んだことを現場で実践され、報告してくださいました。このお二人は、昨年末に講座を受講した第1期生にあたりますが、援助者として、ますます力をつけ、コミュニティに根ざした活動を展開しており、感動的でした。このNPOをひとつのコミュニティに、それぞれの活動会員が、自分たちの地域に、また新たなコミュニティの輪を広げてくれていることが伝わってきました。
第2回目の「援助者向け怒りのコントロールを学ぶ親グループ」は、この10月11~12日に実施され、現在はフォローアップ中です。新しく誕生した2期生たちの今後も楽しみです。講座卒業生たちの交流の場としてのメーリングリストも始まっています。
子どもプロジェクトでは、2月より研究会を重ねてきた成果を10月13日のミーティングで集成し、2004年2~3月に実施されるDVのある家庭で育った子どものための予防介入プログラムの実施に向けて、着々と準備が整えられています。10~12月には、子どもたちの実態把握のために、DVに関わっている弁護士さんたちへのアンケート調査、およびインタビュー調査を実施しました。
12月6~7日には、臨床心理学を学ぶ大学院生を中心に、このプログラム実施を手伝ってくれるボランティアの養成講座を実施しました。18名の参加者がグループになって熱心に学習しました。現在、プログラムの内容を検討中です。初めての試みなので、どんな方々が参加してくださるのか、ちょっとドキドキしますが、少しでも良いプログラムを提供できるよう努力しています。
その他、「家づくりを学ぼう!-建築家と共に」の最終回が10月16日に行われ、村本勝美先生宅の見学をさせて頂きました。1年にわたる長い講座でしたが、参加者の評判もよく、今後の企画を期待する声が上がっています。私たち心理療法家にとっては、ハード面から心に働きかけるという点でとても新鮮でした。
アドボケーター養成講座が継続され、10月4~5日に「性被害」、11月15~16日に「子ども虐待」の特別講義を終えました。12月には裁判所見学が実施されました。
今や1頁ではとても紹介しきれないほど、多様な活動が展開しつつあります。詳細は本ニュースレターおよびホームページでもご確認ください。
なんだか物騒な世の中になってきましたが、暴力に抵抗できるのは安心とつながりの力だと思います。みなで力をあわせて良い年にしましょう!
(ニュースレター第6号/2004年2月)