理事長 村本邦子
私たちのNPOも4回目の春を迎えました。年次大会、春の交流会、援助者養成講座が定例化して回を重ね、グループ・ファシリテーター養成講座は中級がスタートします。プロジェクトの方も、それぞれに活動の拡がりを見せ、DV子どもプロジェクトでは、今年も新たにプログラムのシェルター派遣を検討中です。アドボケイト・プロジェクトでは、ジャンプ(大阪府男女共同参画)補助金を受け、研究・啓発事業を完了、報告書を発行しました。現在は、例会を重ね、新しい企画で予定しています。被害者支援の仕事に二次受傷(代理受傷)が付き物であることは、我が身をもって経験してきましたが、アドボケイトたちの育成とサポートの場を創っていけたらと考えています。
Vi-project(子どものための面会・交流サポートプロジェクト)では、WAM(独立行政法人福祉医療機構)の助成金を頂いての研究事業を完了、こちらも報告書を発行したところです。新年度は、直接支援のパイロット事業を始めます。また、この春、新たに、暴力防止プログラムを作成、実施する暴力防止プロジェクトを立ち上げました。いずれも、ボランティアとして関わってくださる活動会員の数も増え、新しい視点や可能性が開けてきました。NPOという私たちのコミュニティの拡がりと発展を嬉しく思う今日この頃です(なお、それぞれの報告書の入手については、事務局にお問い合わせください)。
少し前、ある大学で「コミュニティ心理学」を教える機会を得ました。コミュニティとは何かを考え、それぞれがコミュニティ感覚を身につけるということを目標に、講義と交差させながら、ディスカッションの場を多く設定しました。授業終了後の学生たちの感想のほとんどが、「小グループでディスカッションさせられるのは、最初、すごく嫌だったけど、少しずつ慣れてきて、だんだん参加できるようになった。仲間意識が強まったし、違った意見を聞くことで視野が拡がり、自分も成長した」と、新鮮な貴重な体験として受け止めてくれたようで、私にとっても感動的な体験でした。最初はちょっとだけ努力を要するかもしれないけれど、それでも、積極的に参加していくなかでコミュニティ感覚が発達していきます。みなさんの積極的な参加を期待しています。
これから、少しずつ、他のNPOや支援機関とのつながりを拡げ、深めていって、本当の意味でのネットワークにしていけたらと願っています。安心とつながりのコミュニティの輪が拡がっていかんことを!今後ともどうぞよろしくお願いします。
(ニュースレター15号/2006年5月)