理事長 村本邦子
――― 同 窓 会 ―――
お正月、35年ぶりに中学の同窓会がありました。その後も親しくしていた人たちもいたようですが、私自身は田舎を離れてすっかりご無沙汰していたので、誰が誰だかわかるかしら?とちょっとドキドキしていました。昔と変わらず、顔を見た瞬間に誰だかわかる人もいれば、じっと見ていても誰だかわからず、「ごめん、誰だっけ?」と聞いて初めてわかる人、イメージが違いすぎてしばらくピンとこない人・・・さまざまでしたが、さすがに子ども時代を共にした仲間たち、あっという間にアットホームな雰囲気に包まれました。1学年180人くらいで、集まったのは60人ほどでしたが、地元の公立校なので、大半の人たちが小中9年間のうちに一度くらいは同じクラスになっています。思い出話に花を咲かせていると、あの頃がつい昨日のことのようです。
のんびりした田舎の学校だったためか、基本的に、みな気のいい暖かな人たちばかりで、男女問わず、見るからに素敵な中年になっていることは驚きでした。厳しい子ども時代を送っていた人たちもいたし、誰にとっても35年が良いことばかりであるはずはありません。それでも、それぞれが自分の人生を受け入れ、魅力的に年を重ねてきたんだなと胸が熱くなりました。考えてみれば、それだからこそ、こうして同窓会に出てくることができるのでしょう。きっと、今回、来れなかった人たちのなかには、来れない状況を抱えた人たちもいるに違いありません。悲しいことに少なくとも3人はすでに亡き人となっていました。生き延びること自体、並大抵のことではないのです。
コミュニティの再結合とでも言うのでしょうか。個人的に深い話を交換するような関係ではありませんが(そんなことをすれば、きっとケンカするしかないような人たちもいるはず)、わいわいがやがや昔の思い出話に花を咲かせたり、今の状況を軽く紹介したりして楽しいひとときを過ごしました。ふだんは毎日の生活で精一杯で、なかなか人づきあいしている余裕がなく、無愛想な私ですが(昨今は年賀状さえ出さず・・・)、「帰ってくることがあったらいつでも連絡して。みんなで集まるから!」と口々に言ってもらい、今後の楽しみが増えました。こうしていつでもつながれる仲間たちがいるということ、お互いの生活状況によっては関係がいったん終わることはあっても、チャンスさえあれば再結合できるもののだと知ったことは、今後、人生に立ち向かっていく強さを与えてくれる気がします。
ご縁というのは今現在に限らず、安心とつながりのコミュニティは、時間や空間を越えて存在し得るのでしょう。気づかないところで自分の基盤を支えてくれているものに感謝し、自分のいる場所で自分のできることを続けていこうとあらためて決意した新年でした。みなさま、今年もどうぞよろしくお願いします。
(ニュースレター34号/2011年2月)