理事 窪田容子
11月23、24日に京都支所で、『援助者向けグループセラピー研修 怒りのコントロールを学ぶ親のグループ』を開催いたしました。村本と窪田が講師を務めさせて頂きました。
子どもへの虐待に対する対策が求められている一方で、専門家の間では、相談機関につながっても、その虐待行動を変えるプログラムがないとの声もよく聞かれます。虐待してしまう親の多くは、怒りのコントロールに問題を抱えているので、親に怒りをコントロールする方法を身につけてもらうことが必要です。虐待は世代連鎖しやすいことが知られていますが、親が怒りをコントロールすることができれば、次世代への連鎖をくい止めることもできます。そこで、私たちが開発し、実践し、効果があったと感じている、「怒りのコントロールを学ぶ親のグループ」のプログラムを、役に立てて頂けたらと思い、援助者のための研修を実施致しました。このプログラムは行動を変えるのに即効性があると言われている認知行動療法を使ったものです。
グループファシリテーター養成講座を修了し、グループの進め方や趣旨を共有して理解頂いている方を対象とさせて頂きました。グループで使用するテキストと、グループを進める援助者のためのマニュアルを配布致しまして、私たちがファシリテーターとなって、受講者に実際にこのグループを体験して頂きました。私たちもグループのプログラムを開発するときは、スタッフ内で実際にグループを体験する場をできるだけ設けるようにしています。自分が参加者として経験したことは、実際の参加者に対してグループを実施する際、非常に役に立つからです。
2日間という凝縮された時間で行ったため 、もう少し時間のゆとりがあれば、というご意見もありましたが、連日とても活発な質問や意見を出して頂き、私たちにとっても有意義な2日間でした。1、2、3月に行うフォローアップセッションでは、実践へ向けての具体的方法を共に考えていきます。 以下にニュースレターでの掲載をご了承頂いた、アンケートによるご感想の一部をご紹介いたします。
・内容が充実していた。
・実践者のための講座は他にも受けたことがありますが、今までで一番良かったです。
・援助者として即実践に結びつけることができる、とても具体的な内容だった。
・参加者になってやってみるという方法はとても良かった。
・スピードが速く、少し大変だった。
・援助者としてのあり方を初めにきちんと伝えてもらい、それに添った内容、進め方 であった。
・参加者がお互いに尊重される雰囲気がずっと維持されているのが良かった。
このグループセラピー研修は、毎年行う予定です。 今年は、今のところ10月12・13日を予定をしています。(事情によっては日にちが変更となる場合もあります)。 また、詳細が決まり次第、ニュースレターにてご案内差し上げますので、ご参加をお待ちしております。
(ニュースレター第2号/2003年2月)