理事 窪田 容子
8月28、29日に女性ライフサイクル研究所京都支所で、第3回『援助者向けグループセラピー研修 怒りのコントロールを学ぶ親のグループ』を開催いたししました。村本、下地、窪田が講師を務めさせて頂きました。
子どもへの虐待に対する対策が求められている一方で、専門家の間では、相談機関につながっても、その虐待行動を変えるプログラムがないとの声もよく聞かれていましたが、最近はいろいろなプログラムが開発されてきたようです。
私たちが行っております『怒りのコントロールを学ぶ親のグループ』は、行動を変えるのに即効性があると言われている認知行動療法を使っています。コントロールできない怒りを子どもにぶつけてしまっている親に、怒りのコントロールを身につけてもらうことで、子どもへの対応を変えていくことを目指しています。
虐待は世代連鎖しやすいことが知られていますが、親が怒りをコントロールすることができれば、次世代への連鎖をくい止めることもできます。私たちがこれまでに実践し、効果があったと感じている、このプログラムを、役に立てて頂けたらと思い、今回で3回目となる援助者のための研修を実施致しました。
グループファシリテータ養成講座を修了し、グループの進め方や趣旨を共有して理解頂いている方を対象とさせて頂きました。グループで使用するテキストと、グループを進める援助者のためのマニュアルを配布致しまして、私たちがファシリテーターとなって、受講者に実際にこのグループを体験して頂きました。
私たちもグループのプログラムを開発するときは、スタッフ内で実際にグループを体験する場をできるだけ設けるようにしています。自分が参加者として経験したことは、実際の参加者に対してグループを実施する際、非常に役に立つからです。また、修了生の方も2名ご参加いただき、復習を兼ねて、部分的にファシリテーターをして頂きました。また、交流の時間では、これまでの実践をご紹介いただき、実践を進めていく上で工夫したことや、難しかったことなどをお話いただき、受講生から質問も出て、活発な意見交換の場となりました。
連日とても活発な質問や意見を出して頂き、私たちにとっても有意義な2日間でした。この後、2回予定しているフォローアップセッションでは、実践へ向けての具体的方法や、実践してみて困ったことなどを共に考えていきたいと思っています。
以下にニュースレターでの掲載をご了承頂いた、アンケートによるご感想の一部をご紹介いたします。アンケートでは、全員の方が、大変良かった、良かったに○をつけてくださいました。
○怒りについていろいろ気づきが得られた。段階的、体系的に怒りについてワークシートを用いて考える機会となった。
○怒りはコントロールできるものだと実感できた。自分が感覚として得たものは、何より大切なものだと思う。
○「こんな事、きいてもいいだろうか」と思うような質問でも、ていねいに答えていただき、とても安心して受けることができました。
○もう少し時間をかけてゆっくりとすすめていただけるとありがたいです。
○教科書自体は拾い読みをさせてもらっていたが、実際にセッションを行いながら進める中で、怒りを理解することの大切さを認識させられました。
○ロールプレイとしての参加者と研修参加者の切り替えが大変。
★グループセラピー研修は、毎年行う予定です。
★詳細が決まり次第、ニュースレターにてご案内差し上げますので、ご参加をお待ちしております。
グループセラピー研修(2004.8.28~29)
(ニュースレター第9号/2004年11月)