活動会員 下地久美子
8月27、28日に女性ライフサイクル研究所・京都支所で、第4回『援助者研修 怒りのコントロールを学ぶグループ プログラム実践者養成講座』を開催いたしました。村本、窪田、下地が講師を務めさせていただきました。
子どもの虐待に対する世間の認識は高まってきているものの、子どもの死という最悪の事態を招くケースはあとを絶ちません。専門家の間では、相談機関へつながっても、親の虐待行動を変えるプログラムがないという声もよく聞かれていましたが、最近はさまざまな虐待防止のプログラムが開発されてきたようです。
私たちがおこなっている『怒りのコントロールを学ぶグループ』は、行動を変えるのに即効性があるといわれている認知行動療法を使っています。これは、コントロールできない怒りを子どもにぶつけてしまっている親に、怒りのコントロールを身につけてもらうことで、子どもへの対応を変えていくことを目指すものです。
虐待は世代連鎖しやすいことが知られていますが、親が怒りをコントロールすることができれば、次世代への連鎖をくい止めることもできます。私たちが、これまでに実践し、効果があったと感じている、このプログラムを役立てていただけたらと思い、今回で4回目となる援助者のための研修を実施しました。
この研修では、グループファシリテーター養成講座を修了し、グループの進め方や趣旨を理解していただいている方を対象とさせていただいています。グループで使用するテキストとグループを進める援助者のためのマニュアルを配布し、私たちがファシリテーターになり、受講生に実際にグループを体験していただくというスタイルで進めました。私たちもグループのプログラムを開発するときは、スタッフ内で実際にグループを体験する場を設けるようにしています。というのも、自分が参加者として経験すると、実際のグループを運営するときに、非常に役に立つからです。
今回も、修了生が実際におこなっているグループの紹介をし、実践していくうえで工夫している点や困ったときの対処法などについての話し合いの時間を持ちました。みなさん熱心に受講され、活発な質問や意見が飛び交い、とても有意義な2日間となりました。
この後、2回予定していますフォローアップセッションでは、実践に向けての具体的方法や実践してみて困ったことなどを共に考えていきたいと思っています。
(ニュースレター第13号/2005年11月)