理事 津村 薫
第11回グループ・ファシリテーター養成講座は、6月27日・28日(土・日)の2日間、女性ライフサイクル研究所京都支所にて行われました。参加者は8名、少人数でじっくりと学ぶいつもながらこじんまりとした集まりですが、じっくりと学んでいただくグループのサイズとしてはちょうど良いかもしれません。遠方からの参加者が多くなっていっているのも、昨今の特徴といえます。多くの方が、グループ援助に関わっていたり、グループに関心を持っておられたり、もっとグループについて学びたいというニーズを持っておられるのだろうと思います。
「グループ・ファシリテーター養成講座」は、オリエンテーションを経て、「グループ・ダイナミックス」、「グループ・アプローチ」などの講義や、グループ観察、グループ実習などの演習を組み合わせた2日間の集中研修で、グループについての理論と実践についてじっくりと学んでいただく内容になっています。全国からグループワークに関心を持っていたり、仕事でグループワークを実施するため、基礎からグループについて学びたいという方々がお越しくださいました。
熱心な受講者のご協力のおかげで、良い雰囲気の中、研修は進みました。それぞれの交流としてもご利用いただいた側面があるようで、何よりだと思います。講義の時は熱心にメモをとられたり、ウンウンと頷く姿がよく見受けられました。また、グループ観察では、これを体験されるのが初めてという方々ばかりで、実際に「グループ・ダイナミックス」について感じていただく機会になったかもしれません。熱心に観察作業に取り組む方々の真剣な表情が印象的でした。
「グループ・アプローチ」では、実際にどのようなグループの進め方が良いのか、グループの中で生じてくる問題について、どう考えて対応すれば良いのかについてを具体的に学びました。また、グループ実習では、実際にファシリテーターのいるグループで参加者としてグループを体験いただきましたが、「安心して話せる場作りのために、いかにルールが重要かがよくわかった」というお声がよく聞かれました。
以下に、受講者の感想の一部をご紹介します。
◆ 「講座や体験を通して、少しだけ自分の事業を具体的に考えられるようになりました」。
◆ 「講義でも実習でもバランスよく、ファシリテーターやグループワークについてお教えいただきました。スタッフの皆様も非常に親切に対応いただき感謝します」。
◆ 「プログラムの構成がよく出来ていて、とてもアットホームな雰囲気の中、進められたと思います」。
◆ 「具体的な話と、体験によって理解できた所」。
◆ 「あまり多くない人数の中で実践的なことも取り入れてくださったのが良かったです。先生方の話し方がわかりやすかったです」。
普段私は、女性ライフサイクル研究所で講師をしていますが、最近、「職場の人間関係」や、「チームで良い仕事をするためのポイント」といった講演・研修のご依頼が多く寄せられていることを実感しています。コミュニケーションが希薄になり、人づきあいが下手な人が増えたといわれる昨今、集団を良いものにしていくということは、ますます大切な課題になっているのかもしれません。
良いチーム(グループ)をつくっていくために何ができるのか、問題点にはどのようにアプローチできるのか。具体的な問題を挙げて解決策のポイントについて示したり、参加者が即実践に結びつけられるような講座であることが、ますます求められていることも感じます。人はひとりでは生きていけないし、所属感、チームへの誇りを持っていることがどんなに大切かも、常日頃から実感しているところです。せっかく属したチーム、つくったグループを良いものにするために何ができるか。この講座が、前向きに、具体的に考える機会にもなればと思っています。
2日間の集中講座で得たものを、仕事や活動の場で活かしていただければ、これほど嬉しいことはありません。積極的に、たいへん熱心に参加をしてくださった受講者の皆さんには、あらためて感謝します。ありがとうございました。
(ニュースレター29号/2009年11月)