理事 津村 薫
今年度のグループ・ファシリテーター養成講座は、6月22・23日(土日)に実施しました。参加者はこじんまりと7名。ここに実習生が3名加わり、サイズとしてもちょうど良かったのか、グループさながら温かくサポーティブな雰囲気で進められたと思います。この2日間が安心して学べる場、集える場になったことを心から皆さまに感謝しています。
実習生の皆さんのさりげないサポートにも支えられました。下記に、参加者の皆さまからのご感想を一部ご紹介いたします。
「参加者同士の自然な交流もできて、人数的にも多すぎず少なすぎず、とても良い雰囲気で楽しく受講できました。若い学生さんたちの参加も刺激になって良かったです。久しぶりにファシリテーターの勉強をあらためてできて、気がつかなかったことや忘れていたことを確認できたのがよかったです」(匿名)
「緊張しっぱなしの2日間でしたが、本当に勉強になりました。参加を決めるまで1週間かかり、勇気を出したかいがありました。講座で学んだ点は普段の生活でもいかせると思います。ド素人にもわかりやすく説明してくださり、また貴重な体験になりました」(のん)
「観察する時に何が足りなかったか。グループを作る時のポイント。円満なファシリテーターの仕方。グループ活動において注意する点。困ったことに対しての対応の仕方」(ひろひろ)
「とってもわかりやすくおもしろかったので、時間が経つのが本当に早かったです。実践にすぐに使えそうなポイントをお話し頂いたのがよかったと思いました」(ゆな)
「講師の流れるような言葉のシャワーが心地よくあたたかい場でした。参加者の皆さんもおひとりおひとりが素敵でした。笑いのある講座が楽しかったです」(あーるぐれい)
メンバー同士が支え合い、励まし合い、刺激を与え合い、和やかなコミュニケーションを交わす場があちこちに見られたことは、担当者冥利に尽きる思いでした。
グループ運営に既に取り組まれている方からご関心のある方まで、幅広いご参加でした。
講義や演習を通して皆さまそれぞれがグループについて学ばれ、知識を身につけられただけでなく、今後に活かせるものを持ち帰ってくださり、支援の場、生活の場に良い変化を起こしてくださったのであれば、こんなに嬉しいことはありません。
グループ・ファシリテーター養成講座のこれまでと今後について
ひとりではできないことも、仲間がいればかなう。グループ活動は人々の暮らしに活力をもたらす。しかし、グループ運営に悩む人も少なくない。さまざまな場でグループ支援をする方、自助グループを運営される方たちをサポートする場、支援者たちが共に学び合える場ができれば。グループ・ファシリテーター養成講座はこうして生まれた。
グループファシリテーター養成講座 振り返りと今後
『援助者のためのグループの理論と実践』(村本邦子著 三学出版)をテキストにグループの基礎知識や良いグループ運営、困難への対処を学ぶ。同講座の開催は16回を数えた。毎回定員を超え、キャンセル待ちも珍しくないという人気の講座だった。
講座は2日間の終日研修。この講座そのものも、ひとつのグループだ。それぞれがグループ支援をしていたり、グループを立ち上げようとしていたり、グループに関心がある人たちが集まる。それぞれが打ち解け始め、お互いの活動に関心を示し、共に学び、グループの魅力の気づきをあらためて得る場となったのではないかと思う。
さまざまな活動をしているメンバーに刺激を受け、元気をもらえた、今後の励みになったというお声を毎回いただいてきたが、運営している私たちの方もそうだった。参加者たちに頭が下がる思いがしたり、尊敬の念を持ったり、「こんなに頑張っている人たちがあちこちにいるんだ。私も頑張らないと」と毎年、嬉しい思いで研修を終えてきた。
フォローアップ研修は、一度実施したのみに留まったが、忙しさにかまけて積極的に実施に踏み切れなかった。お声をかければニーズがあったのではないかと反省しきりである。
支援者を支援する事業を今後も継続していきたいが、グループ・ファシリテーター養成講座としては今年度の実施が最終になる。
次年度以降は、子どもプロジェクト、Vi-Projectらと力を合わせて、子どもを支援する方たちのための研修を開催できればと考えている。まだ詳細をお知らせできる段階にないが、ここにグループ支援のエッセンスを入れてゆくことで、子育て支援者らと共に学び、繋がれる場が作れればと考えている。
(ニュースレター44号/2013年8月)