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アドボケイト・プロジェクト
15.アドボケイト・プロジェクトからの報告

理事 津村 薫

アドボケイトプロジェクトは、2005年度に「大阪府男女共同参画活動事業(ジャンプ)補助金」の交付を受け、「アドボケイトの調査研究及び普及事業」に取り組みました。昨年7月には大阪市北区・山西福祉記念会館にて、米国VOV(暴力被害者援助プログラム)でアドボケイトとして活躍されている、春海葉子氏の講演会を開催しました。また、私たちのネットワーク+関西を中心とした主なアドボケイトたちへのインタビュー調査を行い、理事長・村本の考察を加え、講演会の記録と共に、これらを1冊の報告書にまとめました。冊子のタイトルは、「アドボケイトの役割と可能性」です。ご関心のある方にも広くお読みいただきたいので、700円の協力金でお分けしています。お申し込みはFAX(06-6354-8156)、メール(tsunagari@flcflc.com)などで受け付けていますので、ご注文をお待ちしております。
 
 今回の調査では、多くの機関の貴重なお話を伺うことができ、感謝しております。お忙しい中、貴重な時間を割いていただき、私たちに語ってくださった機関の皆様にあらためてお礼を申し上げると共に、アドボケイトの皆さんが築いてこられたアドボカシーに、あらためて敬意を表したいと思います。

今後のアドボケイトプロジェクトは、援助者支援に力を入れたいと考えています。援助者のための講座も企画段階に入っています。より良い援助のための一助になれば・・・それが私たちアドボケイトプロジェクトの願いです。

インタビュアーたちの感想


カウンセリングを通して、現在進行形でDVの被害にあっている女性と関わることがあります。必要に応じて、緊急一時保護所についての情報提供をすることもありますが、情報提供するからには、その場について実感として知っておきたいと以前から思っていました。そこで、ぜひ話をお聞きしたいと一時保護所にインタビューを申し入れたところ、快く承諾していただき、インタビューが実現しました。インタビューの依頼から、最終原稿の確認を頂くまでには職員の皆さんと何度かのやり取りがありましたが、保護所の責任者の方、相談員さん、ケースワーカーさん、責任者に話を通して下さった方など、皆さんがとても暖かく、誠実に、オープンにお話くださったことがとても印象に残っています。また、一時保護所では、危機的な状況にある被害女性を支援しておられますが、被害女性の安全はもちろん、場の安全、職員自身の安全も守るために、まさに体をはって支援をされていることを実感しました。しかも、二週間という制約のなかで、被害者の希望と現実との折り合いをつけて方向を見出す仕事はどんなに大変なことであろうかと実感しました。

アドボケイトとして危機的な状況にある被害女性と向き合っている方々がいることを知って、尊敬の念を抱くと共に、私自身が勇気をいただきました。これからも、必要な人に必要な情報を届け、安全な場への「橋渡し」ができるよう、アドボケイトに携わる人と人とのネットワークの輪をつなげ、拡げながら、私自身も誠実に、丁寧に被害女性のサポートに取り組んでいければなと思った次第です。 
(西 順子)


今回、私が関わったのは、講演会のテープ起こしと、アドボケイト機関へのインタビューである。春海さんからもたらされたアメリカの情報、インタビューする中で浮き彫りになってきた日本の状況、どれも考えさせられるものだった。私は日頃、高校の非常勤講師として教壇に立っているのだが、今回のプロジェクトに参加することで得たものを、日常業務にさっそく、還元することができた。授業で他の社会問題と同様に「DV」を取り上げたのだ。その結果、生徒たちからさまざまな反応があった。法律としての「DV防止法」については知っていても、その具体的な内容やDVの実態についてはほどんどの生徒が知らず、多くは「自分たちとは全く関係のないこと」と捉えていたのが印象的だった。

これまで私自身は、具体的なアドボケイトのアクションを起こして来なかったが、こうして授業を通じての情報提供をしたり、DVと思わずに生徒が悩んでいることを一緒に考えたり、提供できる情報を調べたり、こういう日常のひとつひとつが、すでにアドボケイトの一環なのだなと今回、改めて感じている。その人が、その人なりにできることを、諦めずし続けること、それが大事なのかもしれない。
(前村よう子)


講演会の企画やインタビュー、報告書の作成など、本当にめまぐるしく忙しかった今年度。それでも、大変だったなあという気持ちより強いのは、「やってよかったなあ、学ばせてもらったなあ」という思いと感謝の気持ちだ。私は、「スペースえんじょ」、「W.S.ひょうご」にインタビューをさせていただいたが、いずれも地道に粘り強く援助や代弁、提言を行ってきた方たちだ。行き場所のない女性や子どもたちの力になり、彼女らの声を、暴力の実態を社会に伝え続け、その粘り強い積み重ねで地域や周囲をも動かした民間グループの丁寧な活動に頭が下がる思いだった。彼女らはアドボケイトと名乗っている訳ではないが、まさしくアドボケイトだ。春海葉子氏によれば、VOVに勤務する彼女ですら、「アドボケイトって何?」「アドボケイトって何をする人?」と尋ねられることがまだ珍しくないのだとか。私たちの社会にアドボカシーが根づくのには、まだ時間はかかりそうだが、現在地道に活動しておられる方々の粘り強い積み重ねに学び、それを尊重しながら、アドボカシーが普及していくことを心から願わずにはいられない。
(津村 薫)


今回のインタビューで、私は、「ウィメンズネット・こうべ」と「いくの学園」へ訪問させていただいた。どちらも、10年以上にわたって被害者支援活動を続けている団体であるが、人のつながりをとても大切にしていて、多くの人々のネットワークに支えられているというのが印象的だった。そこには、ケアする側とされる側という垣根を越えて何か力になりたい、誰もが安心できる場所でありたいという思いが、ひしひしと伝わってきた。

 日本にも、地道にアドボケイト的な役割を果たしている人々がいて、メンタルな部分では、日本的な良さが活かされていることが、インタビューを通じて明らかになり、とても勇気づけられた。しかし、その反面、それらの活動が、個人の情熱や善意に頼らざる得ない状況であるという問題にぶつかった。ケアを求める人が、継続的に支援を受けることができるように、土台となる資金や人的資源の安定が、これから必要になるのではないか。また、それぞれの組織がバラバラに活動するのではなく、つながりを持ちながら、被害者支援の質を上げていくことも求められるのではないか、という感想を持った。

今後、アドボケイト活動を根づかせていくには、「アドボカシー」というものを広くコミュニティに浸透させ、誰もが身近にいる人のアドボケイトとなれるようにすること。そして、一方で、狭義でのアドボカシーの専門家が育ち、有償でアドボケイト活動ができるようになることではないかというのを感じた。
 
まずは、コミュニティの一員として、自分にできることは何かを考え、ほんの少しでも誰かの役に立つことを実践していくことができればと思う。
(下地久美子)


被害者支援団体へのインタビュアー、被害者支援アドボケイター養成講座の講師、勉強会の参加者という形で、当NPOのアドボケイトプロジェクトに関わった。インタビューを通じては、日本で被害者支援に関して先駆的な活動をしている大阪被害者支援アドボカシーセンターの方にお話を伺うことができ、被害者に寄り添った地道な活動と、それを支える熱意に感銘を受けた。

被害に遭い、混乱し、日常生活が機能できなくなった人が、自らの力だけで回復していくのは難しい。症状に悩まされ、働くことが出来なくなるなど、回復できないことで、さらなるハンディを背負ってしまうことも少なくない。このような状況の中で、孤立感を抱き、加害者だけでなく、世間に対して怒りや恨みを抱くようになる人もいる。

地域や親族関係などによるコミュニティが、支え合う機能を弱めた現代においては人々とのつながりや、支え合いを意識的に作っていく必要がある。危機的な状況下で誰かに支えられることで、世間に対してより信頼感が高まるような、そんなコミュニティの実現に向けて、この先も自分にできることを模索していきたいと思う。
(窪田容子)


 『性暴力を許さない女の会』で活動されている方にお話をうかがう機会に恵まれた。「アドボケイト」というカタカナ言葉、一体どういうものなのだろうと思っていた。お話をうかがうにつれ、『性暴力を許さない女の会』の方々のアドボケイト活動とは、一言でいえば、性暴力に遭い、苦しい思いをしている女性を支えることなのだと、やがてはっきりしてきてきた。

彼女たちの活動は、1988年11月の『地下鉄御堂筋線事件』をきっかけに始まった。これは、地下鉄で2人組の痴漢行為をした男性に注意した女性が、逆恨みされ強姦されたという事件である。彼女たちひとりひとりが、他人事ではない、自分もこういう被害にいつ遭遇するかもしれないという危機感に突き動かされたという。当時のことを思い出しながらそう語る切迫したような語り口や表情が、非常に印象的だった。

性被害。程度の差こそあれ、多くの女性が遭遇する可能性のあるものだと思う。そして、被害に遭ったときの衝撃は、想像以上のものだといえるだろう。そして、そうした衝撃を受けている当人に対して、「それぐらいことで…」だとか、「あなたにも非があったのでは?」だとかいう言葉は、被害に遭った女性をさらに追いつめる結果となる。被害そのものの重篤さのみならず、他者への信頼感を失いかねないということ、本当に辛くしんどいことだと思う。

そうした女性の苦しみを少しでも軽減しようというのが彼女たちの活動である。彼女たち自身、援助者としてのしんどさを抱えながらも、できることから始めたい、できる限りは続けたいと、少しでも前を向いていこうとしながら活動を続けられている。そうした思いには心を動かされるばかりである。前を向いていれば、たとえそれが目に見えない変化であっても、何かが動いていくように思う。被害に遭い、苦しみを抱えている女性を支えてこられた彼女たちの貴重な活動に、できることからやっていくことの大切さを改めて教えて頂いたように感じている。最近、私も色んな人に支えられて生きているのだと痛感することが多い。支え支えられる存在として、私もできることから始めていきたいと、改めて思った。
(安田裕子)

(ニュースレター第15号/2006年5月)

 


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