理事 津村薫
基礎講座、特講を終えた登録会員と共に、理事・活動会員たちのメンバーで毎月、学習会を持ち、私たちにできる被害者支援を模索しています。現在は『アドボカシーの理論と実際―社会福祉における代弁と擁護―』(ベイトマン著、西尾祐吾監訳、八千代出版)を読み進め、皆で討論をしたり、さまざまな問題について考える機会を持っています。
理論の枠組みから実践に至るまで書かれたこの本は、私たちにさまざまな問題を提起してくれ、それに対して皆で議論検討し合い誠実に考えてゆくことで、被害者の声なき声をどう大切にしてゆくのか示唆を与えられているように思います。もちろん学んだことは社会に返していくことが私たちのなすべきこと。私たちにできる被害者の権利擁護について少しずつ道が見えてきつつあり、実践に向けて動き出せるよう、さらに学習を深めていきたいと思います。
ある月には被害者の方に実際にお越しいただき、お話を聞かせていただく機会を持ちました。暴力から逃れて安全が確立されても、被害者にとっては、それで暴力との闘いが終わる訳ではありません。回復までにどれほどの険しい道程を被害者が生きねばならないのか、その重みを実感し、有効な支援とは何かについて深く学ぶことの重要性をあらためて教えていただいたように感じています。
また、ある月には援助者の疲れについて注目、その心や体ほぐしのためにリラックスを学びました。昨秋行われた年次大会でも、皆に体ほぐしのレクチャーをしてくださった活動会員の栗岡さんから、もう一度リラックスを教えていただいたのです。私たちも普段、仕事上で「ストレス」や「バーンアウト」を講義する身、セルフケアの大切さを日頃実感しています。有効な援助者支援は実際の援助を高めていくことでしょう。これも重要な仕事のひとつだという思いをも強くしています。今年はまた新しい、私たちならではの活動を細々とでも開始できれば嬉しいなと思っているところです。
(ニュースレター第11号/2005年5月)