理事 津村薫
「私たちにできるアドボケート活動を模索しよう、何らかの形で社会にそれを繋いでいこう」という目的のもと、アドボケーター特講修了者を対象とした第1回勉強会を、去る7月13日の18時半~20時に行いました(於女性ライフサイクル研究所大阪本社)。
ここでは、今回の学習会のテーマになっていた、日本コミュニティ心理学会第7回大会について、メアリー・ハーベイ氏の基調講演や、ハーベイ氏、中村正氏、冨永良喜氏、村本らによるシンポジウムについて内容報告を持ちました。ハーベイ氏や、ジュディス・ハーマン氏(『心的外傷と回復』の著者)らによる、米国・ケンブリッジ病院暴力被害者支援プログラム、VOV(Victims of Violence Program)のコミュニティ援助について学びました。VOVの地域に根ざした活動や、さまざまな文化の違いを持つ人々との連携、日本との違いや、学びたい実践例などが報告され、アドボケート活動や、日本の土壌について話し合いを持ちました。
今後の活動についても話し合いを持ちましたが、現段階で被害者への直接援助は難しいが、直接援助だけがアドボケート活動ではないのだから、それをもっと勉強したいというのが現段階での見解でした。
アドボケーターとは何か、アドボケート活動とは何か、自分たちにできる被害者援助とは何か、それを模索してゆくことが大切ではないかと。そのためには、ただ勉強会を持つというのではなく、目的をきちんと確認しあい、中長期的な目標を持って進めたり、社会にはたらきかけていく活動に繋げるものにしたいというのが、「FLC安心とつながりのコミュニティづくりネットワーク」の考えるアドボケート活動です。
ネットワークがある米国VOVの実践例に学ぶようなことも、今後視野に入れて勉強を進めようという話にもなりました。課題図書を設定、これを読み進めてアドボケートについての模索を進めることと、詳細は未定ですが、今年度には、新たな養成講座の開催も予定しています。
年次大会でも活動報告を持つ予定ですが、アドボケーター登録者の栗岡多恵子さんより、日頃教えておられる「リラックスジャズ」のワークショップを発表してもらうことになりました。皆さんのご参加をお待ちしています。
(ニュースレター第9号/2004年11月)