アドボケイト・プロジェクト
理事 津村 薫
被害者支援アドボケーター事業はもともと、特講終了後、試験を経て、アドボケーター登録、そして被害者への直接支援をスタートさせるという予定でしたが、この1年の経過から、これまでどおりの体制で、予定通りの事業を展開することにはどうしても無理があり、無責任な枠組みでアドボケーター事業を提供することはできないと判断しました。
もちろん、参加者の方々と共に、せっかくスタートさせた事業を継続していく意志に変わりはなく、まずは、原点に立ち返り、私たちの身の丈に合った被害者支援とは何なのか模索しながら、今後の形を整えていきたいと考えました。
5月16日、特講修了者登録アドボケーターの方々に呼びかけ、今後の運営を考えるミーティングを開きました。当面、定期的に勉強会を開き、情報提供、施設見学や裁判傍聴など実践に触れられる機会を設けて力をつけること、講演会の開催その他、被害者権利擁護のために声を上げていくような活動につなげたいという方向性を確認しました。
そしてまずは、6月26・27日、立命館大学衣笠キャンパスに於いて行われた日本コミュニティ心理学会第7回大会「多領域で支える暴力被害者支援を目指して」(村本を大会長として、当NPOも後援しておりました)と題して、被害者支援の第一人者であるメアリー・ハーベイ氏を迎えて行われた基調講演とシンポジウムを勉強会と位置づけ、参加を呼びかけました。
7月に行われる第1回勉強会では、学会に出席できた人できなかった人も一緒に、この講演・シンポジウムで学んだことを持ち寄って、コミュニティに根ざした被害者支援のあり方について、皆で考え、今後の活動の可能性について話し合う場にしたいと考えています。
(ニュースレター第8号/2004年8月)