非暴力プロジェクト
~年次大会報告と今後の活動について~
年次大会では、これまで非暴力プロジェクトで行ってきた活動内容について報告する機会を頂いた。コスタリカにおける平和教育、Alicia CabezudoらのRethinking Peace Education、村中李衣先生の絵本の読み合いや怒りの解放に関するワークショップ、カナダにおける学校現場の非暴力プログラムの先行研究等を中心に、今までプロジェクトを進めるに当たって参考にしてきた先行研究や、既存の手法について報告することができた。
私たちの暴力防止プロジェクトの問題意識とは、現在の「いじめ」「暴力行為」などの問題行動が多発するのを背景に、我が国では欧米から既存の暴力一次予防プログラムを、そのまま輸入してきたことへの疑問に始まった。つまり、既存の欧米型一次予防プログラムは、果たして、日本の子どもの地域環境に本当に即していると言えるのか?という問題である。
これにより、本プロジェクトの目的は、欧米以外の地域に根付く「非暴力」の精神を基に、日本の環境・文化を取り入れた、より体系的な独自のプログラムを開発し、そのプログラムの実施、及びその評価を行うことである。
年次大会で報告させて頂くことによって、FLCの会員の皆さんに本プロジェクトの活動内容を知って頂く機会となれたと同時に、多くの方々との問題意識の共有や、具体的な活動に向けたアドバイスなど、様々な貴重なご意見を頂戴することができた。
今後の活動において、皆様から頂いたご意見を参考にし、個人やグループの関係性だけに焦点を当てる視点に留まらず、コミュニティレベルの視点を織り込むことで、より包括的な視点を携えた活動をしていきたいと考えている。今年はさらなる見識を深め、具体的な活動に向かってフィールドの確保、そして実践的なプログラム開発へと一歩一歩進んでいきたい。今後とも皆様のご支援の程、お願い申し上げます。
(ニュースレター22号/2008年2月)