村本邦子
暴力防止プロジェクトでは、学習会を重ねています。第4回ミーティングとして、4月1日、DV子ども支援プロジェクトとの合流企画で、「絵本の読み合い・非暴力ワークショップ」を、第5回ミーティングとして、5月5日、トランセンデント研究会主催の「アリシア・カベスード教授による平和教育ワークショップ」への参加を、第6回ミーティングとして、5月8日、立命館大学人間科学研究所主催の「からだとこころで歴史を考える~戦争とトラウマ・プレイバックシアター」に皆で参加し、第7回ミーティングとして、5月19日、これらの体験の振り返りを行いました。個人的な感想はすでにあちこち書いてしまったけれど、若い人たちと体験を共有して初めて見えてくるものもあります。しばらくは勉強を重ねていきますので、関心のある方は是非どうぞ。
「絵本の読みあい・非暴力ワークショップ」に参加して
福田央子
4月1日に村中李衣先生の、絵本の読み合いと非暴力のワークショップに参加しました。今回の読み合いは、先生が絵本を読んで下さり、内容に感じた疑問などについて皆で意見の交換をするという流れでした。絵や表現の理解の仕方は、各々の経験などが反映されて非常に多様でしたが、絵本という媒体により、自分とは違う視点があることを素直に受け入れることができました。正解がないので、自分なりのとらえ方があっていいのだという心地良い安心感もありました。
非暴力ワークショップでは、憤りを覚えたことを思い浮かべ、新聞の棒でダンボールを叩きました。皆は叩く人を見守り、叩く人の気持ちを感じたら手を挙げました。私が叩く体験をした際は、自分がどう思われるかが不安で、叩くことに抵抗を感じました。数名の人が叩く体験をし、その後全員でシェアリングを行いました。それにより、自分を見守っていた人たちがどの様に感じたかを確認でき、不安が解消され、共感してもらっていた自分を認識することもでき、シェアリングの重要性を感じました。
アリシア・カベスード教授のワークショップから
学んだこと
本田浩子
ワークショップは、「Rethinking Peace Education(平和教育再考)」をテーマに、5月5日に開催されました。まず、アルゼンチン出身のアリシアさんから、これまでの経験や活動を通して、中南米における民主化運動や人権教育の紛争(コンフリクト)において、どのようなアプローチが可能であったか、政府、制度、市民社会がどのように動き、コンフリクトを転換していったかなど、実例を交えてお話がありました。
続いて、幾つかのグループに分かれ、「平和の文化を築くためには」と題してワークを行いました。実は、このグループワークで、私たちは平和的な教育方法を体験したのです。平和教育とは、平和や暴力、戦争について一方的に教えるものではなく、ジェンダーや世代や文化を越えて、共に学びあうもの。グループワークでは性別・職業・年齢など多種多様なメンバーで、身近な問題を取り上げ、みんなが参加し、互いに話し合い、批判的に考え、分析し、対策を練るという平和学習のプロセスの要素が含まれていました。このプロセスを取り入れることによって、非暴力プログラムの新たな可能性のヒントにできればと思いました。
(ニュースレター第20号/2007年8月)