活動会員 高岡昂太 本田浩子
11月18日に第二回目のミーティングを行い、暴力防止プロジェクト(一次予防)でやってみたいことなど、各自が持ち寄ったアイデアを検討しながら、以下のように今後の方向性を話し合いました。
私たちの問題意識は、現在の「いじめ」「暴力行為」などの問題行動が多発するのを背景に、我が国では、欧米から既存の暴力一次予防プログラムを、そのまま輸入してきたことへの疑問から湧き起こりました。即ち既存の欧米型一次予防プログラムは、果たして、日本の子どもの地域環境に本当に即していると言えるのか?ということです。
そのため、本プロジェクトの目的は、欧米以外の地域に根付く「非暴力」の精神を基に、日本の環境・文化を取り入れた独自のプログラムを開発し、そのプログラムを試行的に実施、及びその評価をしようとするものです。
現在、私たちが、「非暴力」の精神を参考にしようと白羽の矢が立った国はコスタリカです。なぜならコスタリカは、軍隊を放棄するという世界的にも稀有な国であり、日本と同様に平和憲法を保持し、その非暴力の精神に根ざした平和教育は世界的にも評価が高いからです。
コスタリカの平和文化教育プロジェクトの三つの大きな柱は、「自分自身との平和、他の人々との平和、そして自然との平和」とされており、自分自身との平和はさらに、精神における平和、心における平和、身体における平和の三つに分けられます。精神における平和とはつまり、自分とは何であるか、自分の価値とは何であるかを認識し確立することだと言われています。まさしく、私たちの暴力防止プロジェクトが目指す考え方にぴったりな精神です。
これらを基にプロジェクトの方針は、自然とふれあい、楽しみながら自分自身、他者、自然との関係性を考え、それぞれを重んじられるようになることによって「非暴力」の大切さを見出す独自のプログラムを開発することとしました。現在、実質的な活動の開始に向け、助成金に応募するなど、準備を進めています。
来年1月からは、定期的に勉強会を行い、コスタリカの平和教育についての勉強や、既存の一次予防プログラムの比較検討などを考えています。やっと方針が決まり、スタートラインに立ったプロジェクトですが、出来るだけスピードアップし、暴力一次予防プログラムの実現を目指していこうと思っています。
(ニュースレター第18号/2007年2月)