活動会員 杉山暁子
離れて暮らす親子の面会をサポートするため、子どもプロジェクト内に、子ども面会プロジェクトを発足しました。NPOのホームページの掲示板に、ある弁護士の方から「離婚後の面接交渉の理解が広がってきている一方、離婚についての否定的な感情を親が子どもにぶつけてしまうと、子どもの情緒が乱れてしまう。子どもにとって安全な面会サポートをしてほしい。」という内容の書き込みをいただいたことがきっかけとなりました。
発足準備の段階で、大学院の同級生であり、NPOの活動会員でもある友人と協力して面会について調べていくと、すでに諸外国では、第三者による面会を仲介する「面会センター」という機関が自治体単位で存在し、各地域の裁判所と連携して子どもにとって最良の利益が得られるような支援体制が整っていることがわかりました。日本では、過去の判例から「会わない方がよい」とされていた別居している親子の面会が1980年代後半より親子の権利として認められるように大きく変化しています。しかし、安全を保障された場所で親子が面会する方法はいまだ確立されていません。現在のところ、離婚や面接交渉に携わる弁護士が、自分の事務所で面会を設定していることが多いとも聞きました。
そこで、子ども面会プロジェクトでは、新たにメンバーを募り、5月15日の第1回ミーティングを開催しました。当日は6名の参加があり、自己紹介をはじめ、面会プロジェクトの活動趣旨、今後の活動について話しました。面会サービスとは何か、どのような課題・問題点があるのかなど、面会についての共通認識をもつため、今後は海外文献の研究に取り組む予定です。そして、ただ単に親と子どもを会わせることが目的ではなく、子どもの気持ちに寄り添ったサポートを作り、いずれは面会を必要とする親子へ直接支援ができることをめざしていきたいと考えています。
面会に興味がある方以外でも、子どもが好きな方、子どもに関わる法律について学びたい方、翻訳をしてみたい方など、このプロジェクトに関心を持たれた方の参加をお待ちしています。
(ニュースレター第8号/2004年8月)