理事 窪田容子
11月13日、第3回「子ども面会プロジェクト」ミーティングを実施しました(参加者7名)。子ども面会プロジェクトというのは、両親の離婚などの理由で離れて暮らす親子の面会をサポートしようというものです。
今回は、前回に引き続き「NYSPCC Professionals'Handbook on Providing Supervised Visitation」の文献研究を行い、第1章後半と第2章前半部分について、担当者が事前に行った翻訳をもとに、メンバーで内容を検討しました。
第1章後半部分は、スーパーバイズドビジテーション(以下、SV)についてのこれまでの展開を紹介するなかで、主に、プログラムモデルに関する調査研究結果について言及していました。個々のプログラムは、その形式、やり方、また、どのような場面設定のもとで面会を行うかなど様々であり、唯一の有効なプログラムモデルがあるというわけではありません。そこで、それぞれの地域資源を最大限に利用し、その地域に合った有効なプログラムを立案する必要があると述べられています。
第2章前半部分は、SVプログラムが提供する各種サービスについて紹介しています。たとえば、子どもを親との面会の場まで送り迎えする「見守り移送サービス(Monitored Transfer)」も安全な親子の面会をサポートする重要なサービスのひとつです。また、基本的にSVでは、立ち会う第三者は、親子関係の構築に介入せず、中立の立場をとりますが、積極的に親子関係の構築をサポートする「支援的SV(Supportive SV)」もあります。また、メンタルヘルスの専門家が介入する「治療的SV(Therapeutic SV)」などのサービスも行われます。
なお、今後、「子どもプロジェクト」では、SVに関する文献研究を継続していくと同時に、「子どもと非同居家族を取り巻く状況についての実態調査」として、当事者や各種専門家に対するインタビュー調査やアンケート調査を実施する予定です。
面会に興味がある方以外でも、子どもが好きな方、子どもにかかわる法律について学びたい方、翻訳に興味のある方など、このプロジェクトに関心を持たれた方のご参加をお持ちしています。
(ニュースレター第10号/2005年2月)