活動会員 桑田道子・杉山暁子
福祉医療機構による助成事業「離婚家庭に育つ子どもたちへのサポート事業<別居親子間交流援助プログラム作成のための現状調査>」の一環として2005年5月21~28日、活動会員の杉山と桑田がプロジェクトを代表してSVNカンファレンス出席と、面会支援を提供する団体の視察のため、マサチューセッツ州ボストン(USA)へ行ってきました(紙面の都合上、詳細な報告は事業報告書にてさせていただきますので関心のある方は年度末発行の報告書をご覧ください)。
23 | 月 | 午前 | ・The Guidance Center (Children Who Witness Violence at Home) |
午後 | ・The Guidance Center (Meeting Place) |
||
24 | 火 | 午前 | ・YWCA of Western Massachusetts (Supervised Visitation Center, Open Shelter, Teen Shelter) |
午後 | |||
25 | 水 | 午前 | ・Probate(Family)Court見学 ・Victim Service Center(Massachusetts大学) |
午後 | |||
26 | 木 | ・Supervised Visitation Network Conference 出席 基調講演、ワークショップ3種出席 |
|
27 | 金 |
●ガイダンスセンターは子どもを中心とした家族支援を行なっている民間団体のひとつで、ケンブリッジの住宅街にある2階建ての一軒家がセンターです(写真1)。
幼児から22歳まで、年齢にあわせた各段階のプログラムがあり、その中の「Children Who Witness Violence at Home(自宅で暴力を目撃した子どもへのプログラム)」「Meeting Place(離れて暮らす親子の面会プログラム)」のスタッフからレクチャーを受けました。
写真1:ガイダンスセンター
●YWCAは主に暴力被害女性への支援プログラムを多数行なっている団体で、ここでは昨年秋に出来たばかりのオープンシェルター(これまで被害者のためのシェルターは、加害者から隠れて暮らすことを目的に存在していたが、加害者からも社会からも隠れて暮らすのはおかしい、完全に安全であれば隠れる必要はない、表で暮らしたいという願いのもと建てられ住所を公表して生活するため、防弾ガラスや24時間監視のカメラ、全てのドアがコンピューター制御されているなど、様々な安全のための工夫がなされたつくりになっていました・写真2)、ティーンシェルター(未成年の母子が生活する場所でここから学校や仕事へ通う)、スーパーバイズド・ビジテーションセンター(離れて暮らす親子への面会プログラム・写真3)を見学させてもらい、スタッフへのインタビューを行ないました。
●Probate Court(プロベートコート)は検認法廷と訳されますが、日本でいうとその役割は家庭裁判所に近いと思われます。ここではプロベートオフィサー、弁護士へのインタビューを行なった後、実際の法廷で2件の事例(離婚後の面会についてのケースと、別居夫婦が子どもの養育権、また面会について決めるケース)を傍聴させてもらいました。
●毎年開催されている国際研修の1日目は、ボストン・メディカル・センターの「子どもの暴力目撃プロジェクト」ディレクターのベッツィー・グローブス氏による講演があり、1992年から2001年にかけて面会センターが増えた背景や、プロジェクトの活動の中からいくつかの事例を挙げて、今回の研修のテーマである「中立性」について彼女の見解を述べ、参加者に問題提起することから始まりました。
●「中立性とアドボカシーとのギャップを越えて」という分科会では、カリフォルニア州の面会センターが発表し、それぞれの家族に応じてサポートの内容を変えるというより、団体としてのルールに忠実にサポートすることを強調していました。
● その他、「子どもの声に耳を傾ける」という分科会、「法制度と福祉サービスからの視点」という分科会に参加しました。
最後になりますが、アメリカ滞在中、現地コーディネーターとしてご協力いただいた春海葉子さん、加藤洋子さんに感謝申し上げます。
(ニュースレター第13号/2005年11月)