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Vi-Project
Vi-Project マサチューセッツ州の面会センター視察報告2

活動会員 桑田道子

Massachusetts Society for the Prevention of Cruelty to Children
http://www.mspcc.org/

MSPCCはマサチューセッツ州に18カ所あり、前号でお伝えしたように各地で親子への様々なプログラムが提供されています。そのうちの1カ所のビジテーションセンターを訪問しました。センターはビルのワンフロアが使用されていて、私達がインタビューに使わせて頂いた20畳ほどの大きな部屋や、あらゆる年齢の子どものためのおもちゃがたくさん置いてあるカーペット敷きの居心地のいい面会用の部屋、面会の時間に料理を楽しむこともできるようキッチンもありました。

このセンターではひと月に25~30家族の面会を行ない、その多くは裁判所からの依頼で過去にDVのあったケースであり、現在約30家族の予約待ちがあるそうです。面接時間は約1時間で、大きい子どものためには最長1時間45分です。
スタッフは常勤が3名、非常勤が12名で、ひとり元警察官の女性がいらっしゃいました。子どもと女性の安全を一番注意していて、面接の際に元夫婦がこのセンターで顔を合わす必要がないように、それぞれがセンターに出入りする時間に15分の時間差を作っています。必ずセキュリティを受けて入室し、車で来た場合には子どもが誘拐されないよう車の鍵も預けなくてはいけないとのことでした。以下、面会サポートについてお尋ねした主に3点についてまとめてみます。

【子どもが会いたくないと言った場合の対応】

子どもの年齢によって対応は違うが、このセンターで行なわれる面会は主に裁判所からの依頼、命令であるために、子どもの意思に100%即すというよりは子どもが会いたい、会いたくないにかかわらず、面会日時は設定しなくてはいけないし、面会できるようにサポートする。子どもが会いたくないと言った場合、両親のそれぞれとなぜ子どもがそのような態度をとるのかを話してみた後、小さい子どもの場合は母親と離れることを怖がっているのかもしれないため、父親と面会させ、泣き出したら別室の母親のもとに連れ戻す、といったことを1時間に何度も繰り返してみて、できなければそこでやめてまた次のチャンスをみつける、といった方法をとる。
子どもが大きい(8歳以上)場合は、センターまでは絶対に来させて、スタッフとなぜ会いたくないのかを話すようにし、実際には会わなくても日時を決める作業を子どもと一緒に行ない、それを3、4回繰り返した後、MSPCCから裁判所に報告をする。MSPCCが面会をやめさせる権利はない。
子どもが「会いたくない」理由としては、母親の影響もあるけれども、DVを見てきた子どもたちの多くは、両親の間に自分自身のパワーを欲して、NOと言うこともあり、怒りを持っていたり、本当に怖がっている場合は、MSPCCの対応(父親による暴力や怒鳴りつけが絶対ないこと)を子どもに話し、安心感、信用を得るように説明する。

【DVケースでも面会させる理由について】

子どもは両親を愛していて、ゆるすことができる。父親が一緒に住んでいなければ、父親のことを心配し、父親が元気でやっていることを自分の目で見たい、会いたいと考え、これからどのようにいい交流、良い関係を築くことができるかと望んでいる子どもが多い。その子どもの気持ちに皆が応えているわけではないけれども、多くの加害者は家族を破壊したことに対して悲しんでいる。

【費用について】

センターの運営は主に連邦政府と州から資金を得るが、面会費用は「子どもに会いたい側」がスライド方式で支払う。現金で支払えない場合は、コミュニティサービスでの支払い(公共施設や道路の掃除や、ホームレスシェルターで働くといった社会貢献)も可能であり、特にDV加害者にとっては「過去の行動に責任を持たせる」という意味でもこの「自分で支払う」ことが必要だと考えている。

面会サポートプロジェクトのメンバーに質問を募って質問表を用意していったのですが、たくさんお尋ねしたいことがありながら、時間の制限によっていくつかしか聞くことができませんでしたので、帰国後、シンシアさんとメールのやりとりをしながら少しずつ教えて頂いています。今回、実際に面会サポートをされている現場を見ることができ、またスタッフの方に会って直接お話を伺うことができ、日本での面会サポートの実現へのイメージがまた新たに浮かんできたと同時に、セキュリティの問題をどれほどカバーできるのか、真剣に考えさせられました。また、子どもが「(父親に会いたくない)NO」と言って、両親に対してのパワー・権力を持ちたがるということを伺い、つい子どもの気持ちにコミットしすぎて客観的視点を失いかけることがあることを改めて認識し、注意が必要であると感じました。

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(ニュースレター第12号/2005年8月)

 


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