正会員 桑田道子
離婚/別居後の親子交流の直接支援をスタートさせて約半年(モニター実施期間を含めると1年半)が経ちました。面会の頻度は2ヶ月に1度から月に数回まで、親子ごとにバラバラですが、これまでに多いケースでは約30回を数えるほどになり、継続して安定した支援が提供できつつあります。動くにつれ新たな課題が出てきますが、法的、心理的、福祉的、医療的、あらゆる面で協力くださり、プロジェクトの成長を喜んでくださる皆様に感謝しています。
5月には、プロジェクト創設期からのメンバーであり、現在カンザスで博士課程に留学中の五味さんが、フロリダでのSVN会議でのワークショップを担当し、日本の離婚をめぐる状況、Vi-Pの活動について、報告してきてくれました。SVNは北米を中心に約500の面会支援団体が登録しているネットワークですが、年に一度、4日間にわたる大規模な総会が開かれます。WAM助成による調査の一環で2005年にその会議に出席した際には「今から日本でもサポートシステムをつくっていきたい」とコメントし、Vi-Pオリジナルサポートプランを考えていくにあたって、実際に面会支援に携わっている方々からいろいろと教えていただきました。そして3年後の今、同じ場でサポートシステムの一歩を踏み出したと活動を報告することができ、とても嬉しく思っています。次頁に五味さんの報告を掲載していますのでぜひお読みください。
直接支援にあたっているスタッフは、ミーティングを行い、同時進行しているケースの確認をし、各家族の状況について共通認識を持つよう努めています。また、よりニーズに沿ったサポートとなるよう、スタッフ研修を計画中です。
先日、新しく依頼申し込みのあった方から「調停の場でVi-Projectの利用を相手方に提案し、相手方は『名前を聞いた事もないし、信用できない』と難色を示したところ、家庭裁判所の職員が『ここはまだ新しいから名前は知らないかもしれないけれど、しっかり丁寧に援助活動を行っていて、利用者から喜ばれている。ちゃんとした団体ですよ』と口添えされ、相手方が合意したんです」と聞きました。離婚家族に関わる方から、「利用した人が喜んでいる」と評価していただけることは、私達にとっても非常に喜ばしいことですから、今後もミッションを軸に、子どもたちを守り、応援していく立場として頑張っていきたいと思います。
(ニュースレター24号/2008年8月)