正会員 桑田道子
春を迎え、新生活をスタートされた皆様も多くいらっしゃることと思います。新スタート、おめでとうございます。Vi-Projectを利用されているご家族の子どもさん達も新入学、新学年を迎えられ、ピカピカのランドセルを見せてくれたり、新しい先生や友達の話を聴かせてくれています。
あるケースでは、プレゼントはお誕生日のみ、高額な物は控える、と厳しく決まっているのですが、「小学校入学のお祝いをしてやりたい」と別居親が年明けから丁寧に同居親へ要望を伝え、同居親も積極的に「どうぞどうぞ」ではなくとも「気持ちはわかります」と子どもとお話され、子どもの希望をふまえて、次の面会時に別居親がプレゼントされました。また、その受け渡しに際しては父母双方が非常に協力され(時間、場所、交通手段の変更調整など)、その姿を子どもも見ていますから、子どもにとっても何十もの嬉しいが重なった、大切なプレゼントになったようです。
実は、「親なんだから当然」とプレゼントされ、強硬におしつけるようなことになってしまい、トラブルになる話はよくあります。子どもにどのタイミングで何をどのように与えるかは、両親の教育方針に関わるものでもあるので、離婚夫婦に限らず、一方の親がもう一方の親に何の相談もなく子どもにプレゼントを買ってくることを原因に揉めることはよくあります。両親の子どもに対するスタンスが一致できていないと、子どもの混乱を引き起こしたり、何が良くて何が良くないのかの基準が曖昧になってしまったりすることもありますので、夫婦の意向を確認しあっておくことは子どものためになるでしょう。
離婚された夫婦の背景に経済的格差や意思疎通を阻むパワーバランスの偏りがある場合には、言葉上はただ「買ってやりたい。プレゼントしたい。子どものお祝いなんだから」であっても、同居親が言葉通りに受け取るのは容易ではありません。そうなるとトラブル回避のためには、やりとりをしないことが一番ですが、子どものためにと双方が考え、お互いの意向を調整していかれる姿は感動的でもあります。私達Vi-Projectが間に入った間接的なやりとりとはいえ、元配偶者と、要望を確認しあい、相談しあう作業は困難を伴うものです。けれども、そのやりとりの積み重ねがすべて、父母双方にとって、子どもとのつながりを強めるものであることは確信しています。
Vi-Projectにとっても、父母双方の希望が正反対であるようなときにどのように応じていくか難しいこともありますが、つらい気持ちを伴いながらも前向きに、建設的に話し合いを進めていこうとされている方々には、精一杯その気持ちを理解し、父母にも子どもにも良い終着点を見つけられるよう、サポートを続けていきたいと思っています。
★Vi-Projectイベントのお知らせ★
子どもの面会について悩んでいる親を対象としたイベントを11月下旬(~12月上旬)に予定しています。
少人数で、同じ立場の方と安心して話し合い、なにかヒントを掴んでいただけるような場となるよう準備中です。ゲストに、長く面会を続けてこられた先輩ママをお迎えする予定です!
ご参加希望の方はご予定に入れておいてくださいませ。
詳細は次号ニュースレターとホームページにてご案内いたします。
(ニュースレター35号/2011年5月)