正会員 桑田道子
冬休みを迎え、年末年始に面会をセッティングされる親子も多くいらっしゃいます。大掃除に帰省にと家での用事も増え、師走は名の通り忙しい時期ではありますが、子ども達にとってはクリスマスにお年玉と楽しみも多い時期ですね。
母と祖父母と一緒に暮らしているある女の子は「うちでもお父さんの家でもパーティしたから、2回ケーキ食べた!こっちのうちのツリーはこんなんで、あっちはこうで、ごはんは…」と父母それぞれとクリスマスをどんなふうに過ごしたかを話してくれ、いつになく「ふたつ家があるって感じ。いいなぁ」と積極的に現状を肯定する表現で伝えてくれていました。
そして、この時期につきものなのがプレゼントです。プレゼントは躾、子育て方針とも深く関わるため、離婚にかかわらず、両親間で意見の相違が起きやすいものです。ゲームを与えるかどうか、高額商品を良しとするか、子どもが欲しいものをそのまま買い与えて良いものか、何個まで良いか、子どもには実用品を与えるもので娯楽品は与えないほうが良い…など。
話し合いができていないと、自分の価値観とは異なる相手方の言動を「子どもの教育上悪い」と受け止めてしまいがちでもあります。「子どもを物でつっている」というようなことも起きてしまいかねません。Vi-Project利用にあたっては、「誕生日のみ」「○円まで」「誕生日とクリスマスのみ」「子どもと同居親が相談してリストを別居親に渡す」など決めている方々がほとんどです。
プレゼントが、面会後に揉めてしまう原因となりやすい一方、別居親が子どもの喜ぶ顔を想像しながらプレゼントを選んだり、面会時に子どもと一緒に選べるよう、事前に、同居親が「子どもが、最近関心あることは○○(昆虫や電車、読書、あるキャラクターなど)」と伝えてくれ、参考となる情報を共有でき、子どもにとってより良いプレゼントを親が選んであげられる機会とされる方もいらっしゃいます。
別居親が子どもの嗜好をリアルタイムに知ることはなかなか難しいものです。定期的に会っていたとしても、売場で「これがいいんじゃないか」と商品を見ながら浮かぶ子どもの姿は、一緒に暮らしていた小さな頃だったりして、選んだ物は子どもの年齢に合わなかったり、『以前、好きだった物』を選んでしまうようなこともよくあることです。情報共有されている方々からは、子どもの成長に伴って、子どもに関する情報が更新できるよう協力しあえることは素晴らしいなと思います。
また、プレゼントで遊んでいる子どもの様子を同居親が写真や動画で撮り、別居親が見られるようにしてくれたり、もらったプレゼントを使って作成したものを次の面会時に持ってきてくれたり、衣服の場合は着せてきてあげたりというようなこともあります。
子育て方針について、離婚後に両親が相談しあうことは、子どもにとって良いとはわかっていつつも(離婚後の共同子育て)一筋縄ではいきません。ただ、それぞれの優しさと子どもへの愛情が、別居親子の面会にプラスとなって働くよう、私達も一緒に考え、より良い策を取り計らっていくことを心がけています。
(ニュースレター42号/2013年2月)