活動会員 安田裕子
平成15年9月11日(木)、丸の内にある三菱ビルの三菱クラブで平成15年度助成金贈呈式が開催されました。当NPO法人の村本邦子理事長の代理として、贈呈式に参加させていただきましたので、その模様をお伝えいたします。
三菱財団は、昭和44年に三菱創業100周年を記念して設立されました。設立以来(昭和45年度)から平成14年度にかけて、助成の累計は1,976件、106億円に至っているとのことでした。
平成15年度には、自然科学部門929件、人文科学部門129件、社会福祉部門265件の応募があり、それに対して、自然科学部門43件(総額3億円)、人文科学部門26件(総額6千万円)、社会福祉部門42件(総額9千万円)と、合計で111件の法人及び個人に助成が決定されました。
当NPO法人は、子どもプロジェクトの事業として社会福祉部門に応募し、2 00万円の助成金を受けることになりました。その研究目的として、DV(ドメスティック・バイオレンス)の被害による、トラウマを受けた子どもへの予防的危機介入のためのプログラム作成及び試行的実施プロジェクトを掲げています。
式の前に、部門ごとで記念写真が撮影されました。その後、午後3時半から贈呈式が執り行われ、増田信行理事長のご挨拶、3分野の選考委員長・委員代表・委員代行からの審査のご報告の後、各助成対象者に贈呈書が贈られました。
社会福祉部門の阿部志郎委員長のご報告によりますと、選考基準の大枠は、従来の発想にとらわれないユニークな発想に基づき、社会福祉に貢献するような研究目的を持つというものでした。受賞決定先の研究目的としては、点字使用者のための漢字学習資料(小学校2,3年生)出版、ホームレスの「ホーム」の回復と自立の支援事業、不登校児の親のための心理教育ガイドブックの開発、精神疾患に羅患した企業社員の職場復帰へのの援助などがありました。斬新な発想のものが多く、非常に多様性に富んでいたように思います。
また、ご講評において、当部門への応募のおよそ半数がNPO法人であったことも強調され、社会福祉に関してNPO法人に非常に大きな期待が寄せられているように感じました。さらに、助成対象は、大学教授、NPO法人、大学院生とさまざまであり、完全公募性による分け隔てのない助成事業であることがよく伝わってきました。現在は、より多くの応募対象に助成をおこなうようにしているようですが、それも試行途上であり、社会の動向を踏まえつつ決定していくとのことでした。
そして引き続き、来賓代表からは、遠山敦子文部科学大臣より激励のお言葉、並びに坂口力厚生労働大臣の祝辞代読を戴きました。その後、各部門の助成金受領者代表のご挨拶が続き、贈呈式は滞りなく終了しました。午後5時頃より懇親パーティーが開催され、助成対象先、選考委員、来賓の方々を交え、和やかな雰囲気の中で歓談がなされました。そして午後6時半頃、盛会のうちに幕が閉じられました。
(ニュースレター第5号/2003年11月)