活動会員 渡邉佳代
今年の2月から3月にかけて開催する来所プログラムに向けて、昨年の12月9,10日に、第4回『ボランティア・スタッフ養成講座』を実施しました。講座では、プログラム・スタッフがDV子プロの実践報告とプログラム場面のロールプレイを、理事長村本が子どものトラウマと心理的影響やプログラムで行う臨床動作法の実習を、NPO法人いくの学園の林久美子さんがワークを交えてシェルターの母子への取り組みを紹介くださり、トラウマ支援の理論と実践を幅広く学びました。
今回は12名の方が受講してくださり(うち1名はスタッフの再受講)、講座の修了生はこれまでに51名となりました。トラウマ支援に関心を持つ大学院生や実際に援助を実践されている方々が、この場で交流を深め、支援ネットワークを築いていかれる様子も毎年見られ、スタッフ養成のほかに講座を開催する意義を実感しています。
毎年この講座で、DV子プロの活動に関心を持ってくださったり、スタッフ登録してくださる方々とお会いすることは、私たちスタッフの楽しみの1つでもあります。受講者の方々の学ぶ意欲と熱心さや、これまで実践されてきたことを伺わせていただくことで、私たちもエンパワメントされ、このエンパワメントの循環を当事者やほかの援助者の方々にもつないでいきたいなと願っています。
【参加者のアンケートから】
◆理論から入って、事例についてディスカッションすることで、より実感して内容が自分の中に入ってきたように思います。スタッフの方々の実体験を隠さず話していただき、その時の感情も伝わってきて、大変勉強になりました。(F.N)
◆「トラウマ」の観点から様々な事例を見直すことで、これまで出会った人たちの顔が浮かんだり、点が線でつながるような体験をすることができました。(前田瑠美)
◆現場のことが知りたいことが目的の1つでもあり、そこが少しでも知れたのがよかった。また、ロールプレイで自分がどういう感情の変化のパターンや、苦手とする部分に気づくということで、とてもいい体験になった。(匿名)
◆DVという言葉だけが自分の頭の中で膨れ上がっていたけど、その現状や援助の現場のイメージが持ててよかった。頭の中で考えるだけではなく、動きたい!と思えた。(西澤美知)
◆これまで援助を提供するという視点がなかなか抜けなかったが、受講して母親や子どもの回復力を信じるという姿勢を学べた。(匿名)
●図(1)理事長村本の臨床動作法の実習
●図(2)林さんのワークでは、シェルターでの母子それぞれにどんなサポートが必要か、グループでアイデアを出し合いました。
(ニュースレター第18号/2007年2月)