活動会員 長川歩美
カナダオンタリオから、DV子どもプログラムの先駆者である研究所のLinda Bakerさん、Alison Cunninghamさんのお二人をお迎えした研究会に参加させていただきました。私にとっては活動会員になってはじめての研究会で、今までのDV子どもプロジェクトの活動内容を少しずつ理解し始めたところに、世界最先端の研究・活動内容のお話を聴かせていただけるということで、身に余る恵まれた体験となりました。
お二人が到着されるまでの間、まずは参加されている活動会員の方々が参加の動機、質問したい内容などを話されるのをお聴きしていて、何を知りたいのか、どういう知識を得たいのか、といった目的を、お一人お一人が実際の体験・活動に基づいてしっかりもっていらっしゃることを感じました。また、村本先生のお話から、現在のように資料を入手できない時代から、道なき道をなんとか切り開いてこられた過程をお聴きし、その過程こそが社会啓発になるという内容がとても印象に残りました。
ゲストのお二人のお話からも、子どものDVによる影響についてのカナダと日本の社会認知、意識の違いを知り、まずは意識自体に働きかけていく必要があるのだということを考えさせられました。またカナダでは、スポーツの著名人がメディアで非暴力についてメッセージを伝えられるということをお聴きして、暴力への衝動をスポーツに昇華させているよいモデルとして、非言語で子どもたちに伝えられるメッセージが大きいのではないかと思うと同時に、DV子どもプロジェクト活動会員の数少ない男性スタッフの存在の意義を実感しました。また、発達年齢によって受ける影響の違いや支援法の違いがあること、発達に適したものを入れないと、逆効果になることもあるとのことで、参加人数との兼ね合いで、対策が難しいところだと考えさせられました。
ゲストのお二人はとても明るい気さくな人柄で、惜しみなく情報を提供してくださり、時間が進むにつれて会に熱が入っていくのを感じ、途中で退席するのに後ろ髪を引かれる思いでした。貴重な研究会に参加させていただき、ありがとうございました。
(ニュースレター第18号/2007年2月)