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DV子どもプロジェクト
19.来所プログラム広報報告と助成事業派遣プログラムに向けて

活動会員 渡邉佳代

暖冬とは言え、長く厳しい冬を越えて、草花が芽吹く季節になりました。DV子プロでも、これから根を張り、伸びていくための試行錯誤の期間だったと言えます。
 DV子プロは8名の新スタッフを迎え、1月21日には『ボランティア・スタッフ心得』を確認し、さぁ!次は来所プログラムだ!と気持ちを新たに引き締めましたが、プログラムへの問い合わせは2件(内、援助者1名、当事者1名)。どちらもプログラムが有効に働きかけられるケースではなく、それぞれに必要な情報提供を行いました。
 ニーズはあるのに、それを必要としている方々に何故つながらないのか?2月11日のミーティングでは、こうした課題について話し合いました。DV子プロでは、海外のプログラムを参考に構造的・継続的なプログラムを作成・実施してきましたが、こうしたプログラムには当事者の方が申し込む際にかなりの気構えが必要であること、グループで何かを行うことへの受け入れにくさなど、日本特有の文化が影響しているのかもしれないということが今までの振り返りから見えてきました。
 これから取り組んでいく派遣プログラムでも、実施予定先のシェルターや一時保護所では、当事者の生活が安定しておらず、いつ誰がプログラムに参加するか分からないということ、また、私たちの心理教育的プログラムは、ポスト・トラウマの子どもを対象としたものですが、シェルターや一時保護所の子どもたちは未だ危機状態にあり、構造化された心理教育的なプログラムは現実的ではなく、有効ではないかもしれないということも話し合われました。
 これらの課題を整理し、今後のアプローチとして見えてきたことは、専門的な視点を持ちつつも、絵本や工作、アロマなどのツールを介して当事者の日常生活場面に関わり、その場で生活する人々の間につながりを築くお手伝いをしていくことです。また、援助者を対象にプログラムを提供していくことも提案されました。
 こうしたことから、村中李衣さんの『絵本の読みあいからみえてくるもの』(ぶどう社)を元に、絵本の読みあいワークショップを行いました。まず、村中さんたちと理事長村本がFM下関で行った『ぶたのぶたじろう』の読みあいテープを聴き、その後に各自が絵本を1冊ずつ選んで、読みあいを行いました。さらに、2月18日にも自主練習会を行いました。ワークショップ・練習会の感想は、後のスタッフ感想をご覧ください。
 試行錯誤しながら見えてきたこと。これからニーズのある方々とどう関わっていくか、アイデアがたくさん湧いてきて、ますます楽しみなDV子プロです!

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絵本の読みあいワークショップ・練習会に参加して

●活動会員 田中るみ子

テープから聞こえてくるお話は、色々と想像力をかきたてる内容でした。ぶたじろうのお話を聞きながら、ワクワクドキドキして映像を思い描いていました。聞く人それぞれ異なるぶたじろうが頭の中に登場していたのではないでしょうか。お話を聞いた後に、お話って面白いと改めて感じ、とても幸せな気持ちになりました。
 また、絵本の読みあいでは、次々と出てくる絵と語りに耳を傾け、絵本の世界に引き込まれていました。最近、姪に絵本を読む機会はありましたが、絵本を読んでもらうことは長らくなく、今回のワークショップを通して聞き手側のワクワクした気持ちに改めて気づかされたように感じます。
 村本先生がワークショップの中でお話になられましたが、心理教育では意図的にトラウマに関する情報などを聞き手である子ども達に提供しますが、意図的な情報の盛り込みをしなくとも、聞き手は話し(絵本)を聞く中で、自然と内的な感情が動かされ、色々と感じているのではないかと思われました。絵本の持つ創造性についてもっと考えてみたいと思いました。

●活動会員 山田進治

村中さんの本をその時は読んでなかったのですが、皆さんのシェアを聞いて新しい視点を与えられたように感じました。今、村中さんの本を途中まで読んでいるのですが、本を媒体にしたコミュニケーションなんだな、と思いました。本を自由に使ってらっしゃる。WSで本を読みあいしていても、なんとはなしに楽しい。「心理教育」のような重々しいものではないので、プログラムで使うとほんとに入りやすいのではないかと思う。絵本もいろいろあるなぁと思います。私の持ってきた「海賊がぼがぼまる」は内容的にはちょっと大きい子向けかな?と思います。けっこう残虐な話のような...。ある程度相手によってやっぱり絵本の内容も選ぶ段階で考えなければならないかなぁと思いました。

●活動会員 岡原圭佑

2/18はそれぞれが絵本を読みあうだけでなく、村中さんの著書を読んでの感想もシェアした。このシェアのおかげで、著書を読んでの感覚が深められたように思う。
 村中さんの本から率直に感じることは、やはり観察力のすごさと感受性の豊かさである。絵本というものがこれほどまで深い意味を持ったり、有効なものとなりうるとは思っていなかった。だが、絵本それ自体が治療的なのではなく、読みあうことで生まれる様々な交流こそが治療的であったり、洞察を得るものになるのだろう。そこを汲み取ることが1つのポイントであるだろう。
 WSで絵本を読んでいて、みんながクスッと笑う場面があった。「みんなこういう場面で笑うんだ」「アハハではなくてクスッて笑うんだ」と思ったものだ。この時点で、僕と周りのみんなとの交流は始まっていた。
 児童館や保育所でも絵本の読み聞かせなどは行われている。だが、こういう視点から行っているところは少ないと思うし、それでいいと思っている。ただ、必要なときにその読み聞かせから見ることができる交流を意味づけられることが大切だと感じた。

●活動会員 宮本・李・陽子

村中李衣さんの著書を読み、これまでの絵本に対する認識が大きく変わったように思いました。小さな子どもとだけではなく、大きくなった子どもと、夫婦で、お年寄りと、と、その状況に応じて自由で柔軟な発想をもとに「読みあい」の場が展開されていくさまは、とても刺激的でした。絵本という「生きもの」をツールとして、人と人がどう出会っていくのか、どういう場が共有されていくのか、ということについて深く考えさせられました。村中さんが使用されていた「読みあいシート」を今後の読みあいWSで活用できれば、という意見や、一対一で読みあうことを取り入れてみるのは、という意見がWSの中で出てきていました。
 絵本の読みあいの時間では、皆さんが手に取った絵本に対するそれぞれの思い入れや思い出などが一緒に語られるひとときもあり、絵本自身の物語とそれを読む人の物語、聞いている人の物語が合い合わさって、多声的な読みあいの場が生まれていました。

●活動会員 八木宏子

WSでは村中さんの本についてコメントできませんでしたが、読みあいではいい体験ができました。偶然、私がよく知ってる本に再会し、馴染んだ本だったのですが、読む度に違う経験になっていくことが、実感できました。単純に、いいな。絵本は子どものものだけではないなと思いました。
 私は以前小さな子どもに絵本を読むことがよくあって、たいていはストーリーを守ることに注意を払いすぎていて、相手の反応を拾い上げるよりも排除する気持ちで読んでいたと思いました。そうすると自然と自分の目は絵本の文字を追い私のペースを守り、聞いている人の反応をみたり、途中で中断されるのを避けていたようなイメージがあります。まるで、絵本を読んでいる自分がプレゼンテーションをする主役で、聞く人はオーディエンスという固定された役割が無意識にあったのではないかと思います。
 「読みあう」というのは、読む人も聞く人も両方が、表現者としてその場を共同で作っているような印象を受けました。シートで感じたことを書いて共有し合うことで、相手の気持ちも感じられて、いい道具だと思いました。

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(ニュースレター第19号/2007年5月)

 


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