活動会員 渡邉佳代
今回のDV子プロ活動報告は盛りだくさん!助成事業派遣プログラムに向けて、どのような形でコミュニティ介入できるかを話し合い、また、関わりのツールを模索するために、毎月1回のミーティングとワークショップを行いました。
3月4日のミーティングでは、派遣先のプログラム企画の持ち込みも、コミュニティへの大切な意識啓発や介入であると考え、企画班・営業班に分かれての活動を始めました。それぞれスタッフがどんなことができるか、意識と責任を持って役割分担できるようになるなんて、DV子プロという組織の成長をしみじみ感慨深く思います。
4月には、企画班・営業班で練ったプログラム企画を受けて、あるDV支援団体で行っている退所者支援グループや事務局にお邪魔させていただき、派遣プログラムの検討と、今後の関わりの可能性について、アドバイスいただきました。
現状では、構造的なプログラム・グループのほかに、当事者の日常生活場面で臨床的な関わりのツールを用いていくことも有効であると確認し、4月1日には村中李衣さんをお招きして、以前から自主勉強会を重ねてきた絵本の読みあいワークショップを行いました。また、4月15日には理事長村本によるアロマ講習(5月27日にはミーティングも兼ね、早速アロマの自主練習会を行いました!)、そして、6月17日には中川祥子さんをお招きしてのタッピングタッチ・ワークショップを行いました。それぞれのワークショップについては、後のスタッフ感想をご覧ください。
ミーティングやワークショップを重ね、ケアとは相互作用によるエンパワメントなんだなぁと実感しています。さて、夏から秋にかけては、いよいよ派遣プログラムの実施と、報告書作成に向けてのまとめの作業。私たちもますます元気に、末長く活動を行っていきたいと願っています。
村中李衣さんをお招きしての
絵本の読みあいワークショップ
●活動会員 小川絵美
私はワークショップ中、自分がすごく安心して読み合いにかかわっていることを体感していました。読み合い中に村中先生が視線を送ってくれる時、フィードバックで皆が私の話を聞いてくれている時、それぞれに暖かさを感じました。この歳になって絵本を読み合うことが、こんなにも心地いいものだとは思いませんでした。既婚者の友達に「絵本を夫婦で読み合ったりするのもいいよ」と話した時、怪訝な顔をされましたが、自分が実際に体験したからこそ、今ならもっとうまく読み合いのよさを伝えられるような気がします。むしろ言葉で伝えるよりも、体験してもらうほうが一番効果的だと思います。
子どもには基本的信頼感が不可欠だとよく言われますが、「お母さんはあなたのことが大好きよ」と言葉で何度言われても、子ども自身がそれを実感できないと全く意味がありません。寝る前に絵本を読んでもらいながら、いつの間にか寝てしまっていた小さいころは、どうして面白いのに寝てしまうのかわかりませんでしたが、子どもは私が感じたのと同じような感覚を感じながらお話を聞いているからかもしれないなあと思いました。
●活動会員 前田瑠美
私は演劇をしていた経験があります。演劇は、完成した舞台をお客さんに見せます。舞台上は明るく、客席は暗いので見ている人たちがどんなことを感じているのかは分かりませんし、客席との交流はほとんどありません。
今回の絵本の読みあいWSでは、読み手と聞き手が相互にコミュニケートしながらもひとつの作品が閉じられるという過程を見せていただき、こんなやり方もあるんだと純粋に驚きました。
それは芸術表現が一方通行だということを批判したいのではなく、WSの間じゅう村中さんが、参加者の表情や雰囲気、選挙の街頭演説までをも「この時、この人たちと読む」絵本の要素として織り込んでいく姿がとても印象的だったのです。そういう風に読まれ、閉じられた物語は私にとっても特別なものになりました。私もあのように、誰かと、特別な物語を作ってみたくなりました。
理事長村本によるアロマ講習
(アロマ粘土とハンドマッサージ)
●活動会員 庭山芙美
本当にリラックスでき楽しいひと時でした。向かい合っている分、お互いに一体感があり、最初少し緊張しますが、マッサージをお互いにし合うと、自然と笑と楽しいおしゃべりが弾みます!知り合い同士でマッサージをし合うということは初めての経験だったのですが、交流を円滑に進めていく上でとてもいいアプローチ方法だなと思いました。また、森崎さんが持ってきてくださった自家製のハーブ達!植物があるということでさらに癒されました。実際のプログラムでも、生ハーブにふれ、お茶を飲むという時間がとれたらいいなと感じました。自宅に庭などがない都会の方には、植物との小さい出会いも新鮮なのではないかなと感じます。小さい鉢植えに植えてある状態のハーブをいくつか持って行って、その場で摘むというのも楽しいかなと思いました。ハンドマッサージが無理という方も中にはいらっしゃるかもしれませんし、そのような場合、その方には皆のハーブを摘んでもらうということもできますし、今回のようにいくつか自宅に持ち帰りもできれば、なおいいかなとも感じました。
●活動会員 二木博子
アロマ体験、とても素敵でした。リラックスして、内容のない馬鹿話をしたり、ボーッとアロマ粘土をこねてみたり(もちろんハンドマッサージについてはしっかりと勉強しています!)。ふと思ったのですが、意味のないことをするのって大切ですよね。よく「無駄」が人生の贅沢だと言いますが(言いますよね?)、これまで大変な経験をされた方達は、こんな時間の使い方はできなかったんじゃないかと思いました。いつもあんまり頑張っていない私でさえ、「こんなに意味のない話をしたのいつぶりだろう?」と思ったくらいです。そういう意味でも、何も考えずに話せることや、何も考えずにいられることの大切さって「大きい!」と思いました。リラックスをすることができるとともに、リラックスしていない時の自分、自分自身を見つめなおす機会にもなることができるんだなあと。よい体験をさせていただきました。
中川祥子さんをお招きしての
タッピングタッチ・ワークショップ
●活動会員 森崎和代
タッピングタッチは、2回目の体験でした。今回は、2人1組で行いました。以前からタッピングタッチを「してもらう」ことへの心地よさは実感していましたが、今回「する」ほうも、とても心地よいものだということを体感しました。あのゆったりしたリズムの中で、人の暖かさに触れ、いとおしさを感じるからでしょうか?ゆったりした感覚に包まれ、終わったあともしばらくほんわか幸せな時間でした。
●活動会員 安田裕子
弾む指先からの、トントンという刺激。ワークを終えた頃には、身体がスッとするような、シャキッとしたレタスになったような、とても新鮮なおももちになりました。タッピングタッチでは、関わり方や関係性がキーとなるといいます。中川祥子さんは、このことをとても強調されていましたが、あの場で体験することにより、その意味がよく分かる気がしました。普段から知り合い、同じ対人援助の枠内で仕事をしたり勉強をしたりしている私たちが、相手のことを思い遣り、いたわりの言葉を交わしながら、どんなふうにしたら心地よいだろうかと手探りで確かめつつ、タッピングタッチをしていたあの時間。まさに「地球平和」の縮図かも、と思えたほどです。
それにしても、タップする側が、タッピングタッチを通じて、自分の傾向を知ることができるということもまた、面白かったです。私の傾向は、「力をこめてしまうこと」。その方が気持ちいいかなぁと、自然と思ってしまう自分がいるのです。人との日常的関わりに戻し返して、こうした自分の傾向を、気に留めておきたいなと思いました。身体が変わるような気持ちよさ、思いがけない発見。「時計時間」とは異なる時が流れていたような、不思議なひとときでした。
(ニュースレター第20号/2007年8月)