Vi-Projectは2004年にプロジェクトを立ち上げ、インタビュー&視察調査、8か月間のモニター実施を経て、2007年より非営利有償事業をスタートさせました。年間約120回の面会交流支援を行っていますが、今秋10月20日をもって、新規登録申込を一旦停止することになりました。
サポート開始当初は、「なぜそんなことをする必要があるのか。周囲で会わせているような人はいない。離婚後も会い続けるなんてちゃんと離婚していない証拠」などの声が聞こえるなか、「すべての離婚家族が面会すべきとは考えていない。けれども、子どもが会いたいときに会えるような環境を整えることができるなら、そのために大人(父母も、周囲の大人も)が頑張ってみてもいいんじゃないの?」という思いで、家族支援に関わる専門家の皆さまにご協力、ご助言いただき、スタートさせました。
日本での面会交流支援のお手本となるものがなかったため手探りながらやってきた10年間でしたが、この間には、民法改正(2012年4月1日施行)により面会交流が法律に明記され、ずいぶんとメジャーなものに大きく変化しました。
今では、「子どもに会いたい」と話す別居親に「どうして?何の為に?」と聞かれるようなことは、ほぼなくなっているのではないでしょうか(どのように交流していくかを検討するにあたって、会いたい理由を述べるのは別として)。ただ、「原則的実施」といわれると私達も抵抗があります。私達Vi-Projectも、設立当初とはまた異なる役割が求められているのではないかと、次のステップへ進むため、いま改めて検討する段階であると考えています。
この10年間には各地で面会支援団体も発足されました。Vi-Projectの活動拠点が大阪のため、父・母・子が関西以外から飛行機・新幹線・高速バスで大阪まで来られ面会される方々も何組もおられるので、各地に支援団体が誕生し、子どもの居住地近くで面会でき、また支援団体を複数から選択できるように支援の輪が広がっていることは良いことと思っています。微力ながら、Vi-Projectのこれまでの経験が役立つのであれば、各地で立ち上げておられる団体運営にご活用いただけたらと、スタッフマニュアルや各種規約等を提供してきました。
先日(11月)には、2014年から活動されている「面会交流支援センター香川」様が県や市の後援を得て、面会交流に関する講演会を主催され、お招きいただきました。調停委員のOBOGをはじめ、裁判官や家裁調査官のOBが団体を運営され、当日は離婚当事者を含め、ひとり親支援者や弁護士など約50名が集まっておられ、これだけの方達が離婚後の面会交流に関心をもって活動されている姿にとても励まされました。
新規受付の停止は私達にとっても大きな決断でした。ホームページでその旨を提示した後、何名もの方から問い合わせをいただくごとに心苦しい状況ではありますが、今後の展開を真摯に検討してゆきたいと考えていますのでどうぞご理解いただけましたら幸いです。また、事故事件や大きなトラブルなく、この10年支援活動を続けてくることができたのはひとえにVi-Projectを応援し、お力添えくださる皆さまのおかげであることに心から感謝しております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
(ニュースレター52号/2017年1月)