活動会員 後藤晶子
Vi-Projectの活動が7年を超え、これまで様々な形で関わったケースも100を超えています。
面会サポートのスタート時のお子さんの年齢やご利用される期間にもよりますが、10歳を超えるお子さんたちのサポートをすることもだんだんと増えてきました。1~数ケ月に1回くらいの頻度でお会いするお子さんたちの成長とともに私たちスタッフにとってもわかりやすいお子さんの変化があります。
最初の変化は「手をつなぐかどうか」ではないでしょうか。面会サポートのスタート時は幼児であることも多いので私たちスタッフと手をつないで歩いて移動することが多いです。それが次第にお子さん自身が移動のルートを先導して歩くことが増え、そうすると手をつながないで移動することになります。しばらくするとその後は並んで歩いて移動するようになります。スタッフと手をつないで移動しているときは、面会で会う別居親(多くはお父さん)に飛びついたり抱っこを求めることも多いように思いますが、スタッフと手をつながなくなってしばらくすると、別居親にも自分からは手を伸ばしていないように見受けられます。
その次の変化はスタッフとかわす「おしゃべり」のように思います。もちろんお子さんの年齢や性別、性格、さらにはスタッフと会う頻度にもよります。スタッフとお子さんの移動時間はそう長くはないですが、そのときどきの学校や幼稚園、保育園での行事や別居親と過ごしたことについて話します。面会がスタートしてしばらくの頃はお子さん自身も幼かったり、スタッフに慣れていないこともあり、スタッフからの質問に答えることが多いのですが、お子さんの成長とともに自ら「○○してん」「□□なことあってんで」と教えてくれることも増えます。また年齢とともに少し丁寧な言葉づかいで話をするようになるお子さんもおられます。スタッフとの別れ際に「バイバイ」と手を振っていたのが、同居親と並んでお辞儀をして別れるようになるお子さんもいます。
きょうだいの場合、一時期はきょうだいで競うようにスタッフの質問に答えてくれていても、あるときから、下のきょうだいに最初の答えを譲ってその答えを補ったり、自分はそうではなかったなどの意見を上のきょうだいが付け足す様子もみられます。
このようなお子さん自身の変化は別居親も感じておられる変化ではないかと思いますが、お子さんの成長と併せて生活にも変化が起こる場合もあります。塾や習い事それらの試験や発表会もありますし、地域の行事やスポーツやその試合は学年が上がるごとに出番も多くなりお子さん自身の楽しさも増すようです。お子さんの成長を見守りながら面会を積み重ねてこられている場合や直接或いは間接的にお子さんの頑張っている様子を確認されている別居親は、面会の頻度やタイミングを柔軟にお子さんの予定にあわせるように思います。時には面会よりもその取り組みを優先させることを寂しく思う気持ちも持ちつつ「応援したい」とおっしゃる別居親の様子は一緒に住んでいなくても親としてお子さんとともに歩まれているのだなとわたしも実感させられます。
今後もこのような子どもの成長に伴う面会のあり方の変化も特に別居親に伝えながら、Vi-Projectの仲介なく交流が保てる「卒業」をそれぞれが目指していただけるようサポートを続けていきます。
(ニュースレター49号/2015年11月)