理事 桑田道子
(図 省略)
この図は2008年に活動会員の五味さんが作成してくれたものを土台に、現況にあわせ少しずつ改正してきました。研修・講演等でVi-Projectの話を聞かれた方には見覚えある図かもしれません。
Vi-Projectの役割は
両親:コペアレンティングの視点を伝え続けること
子ども:子どもが取り繕わずに気持ちを表現でき、相談できる相手となり、交流を応援している大人として存在すること です。
コペアレンティング(co-parenting)は日本語では「(離婚後の)共同養育、共同子育て」と訳されます。北米でこの言葉が使われるときには、「月水金は父の家で火木土は母の家、誕生日は年交代、子どもにかかる費用はすべて半分ずつ/あるいは収入比にあわせて父母が負担する」などと、父母が養育を物理的に半分ずつ負担したり、かなり積極的に父母双方が子どもの養育を離婚後も行うことを指すようです。
今の日本の離婚家族にはそのようなスタイルが現実的ではないことの方が多いので、生活の役割分担というわけではなく、≪離婚後、離れて暮らす親子がどんな関係でいることが子どもにとって幸せとなるか、子どもが板挟みにならない環境を、お父さん、お母さん、どちらもが一緒に考えていきましょうという視点≫をコペアレンティングとして、面会セッティングを通して伝え続けています。
諸外国で提供されている『第三者による面会サポート』の多くは「裁判所で決められた内容」の遂行で、父母の意向を調整したりはしません。これは特に付き添いを要する家族には必要な支援です。一部、Therapeutic Visitation Programと呼ばれる支援があり、Vi-Projectは、上記のようなコペアレンティングの視点を軸に父母の意向をすり合わせ、より離婚家族の主体性を促すことを目指す支援ですので、こちらに似ています。子どもが守られる日本型コペアレンティングのありかたを追求してゆきたいと思います。
(ニュースレター51号/2016年7月)