活動会員 五味幸子
今回のニュースレターでは、私たちVi-Projectも会員となっているアメリカに拠点をおくSupervised Visitation Networkについてご紹介します(参照―http://www.svnetwork.net/)。
Supervised Visitation Network(SVN)は、子どもと非同居親との安全で葛藤のない交流を支援する団体や個人を結ぶ非営利の国際的ネットワークです。SVNの会員には、弁護士、裁判官、個人およびNPO団体、大学教員、ファミリーサービス提供者、ソーシャルワーカーおよびセラピストなどが含まれます。現在、SVNの会員は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、南米、イギリス、日本など世界中で活躍しています。
SVNのミッションは、面会交流の分野における、規則の制定、教育の促進、そして専門性の向上を目指すことにあります。このミッションを達成するため、SVNは、以下を含む、さまざまな活動を行っています。
●子どもと親の面会サービス実践に関する規則やガイドラインを制定し、広めること
●面会サービス提供者のリストを継続的に更新すること
●子どもが親と安全で、葛藤のない面会をすることがいかに重要であるかを公教育を通じて広めること
●本分野における研究をすすめること
●サービス提供者にトレーニングおよび必要な資料を提供すること
●ネットワーキングおよび情報共有のため、専門性の高い総会やフォーラムを開催すること
●サービス提供者や裁判所に資金調達の重要性を伝え、獲得のための情報提供を行なう。
Vi-Projectは2004年より継続してSVNの会員であり、これまでに様々なかかわりをもってきました。たとえば、Vi-Projectは、2005年にマサチューセッツ州ボストンにて開催されたSVN総会に出席し、ビジテーション・センターの視察等を行っています。また、2008年には、フロリダ州ジャクソンビルにて開催されたSVN総会に出席し、離婚や面会交流に関する日本の状況、Vi-Projectの活動等を報告しました。各国からの参加者は、それぞれの国での状況を共有し、有意義な意見交換がなされました。そして、2013年には、アメリカ、カナダのSVNメンバーの協力を得て、カナダ・トロントにて離婚後の親子支援に関わる団体や個人を調査・訪問することができました。
SVNのホームページには、面会交流に関わる有益な情報が満載です。SVNの概要に加え、会員検索、国際会議やトレーニングに関する情報、サービスを利用する親へのハンドブックなどが提供されています。また、SVN会員間の情報提供の場ともなっています。英語によるホームページですが、関心のある方は、一度SVNのホームページをご覧ください。日本でも、面会交流にかかわる関係者がネットワークを結び、情報を共有・提供すること、そして、面会交流への理解を深め、本分野の専門性を高めていくことがますます必要になってくることでしょう。Vi-Projectもその一助になればと考えています。
(ニュースレター50号/2016年3月)